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2022 年度 実績報告書

未知の食中毒に対応:遺伝情報と暴露環境から食中毒細菌の適応進化を導き出す予測技術

研究課題

研究課題/領域番号 22J00257
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

安部 大樹  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード食品安全 / 予測微生物学 / 定量的微生物リスク評価 / 加熱殺菌 / 菌株差 / 不確実性 / カンピロバクター
研究実績の概要

本研究は、カンピロバクターの環境要因に対する応答挙動における菌株間の違いを環境情報及び遺伝子情報を用いて予測するモデルを開発することを目標としている。初年度(本年度)は,29菌株のCampylobacter jejuniの耐熱性について試験を行った。耐熱性の菌株差の予測モデルを最新の手法(最確曲線法: Most probable curve methodおよび多変量正規分布:Multivariate normal distribution)によって開発された。結果として10~15種類の程度の菌株の耐熱性をもとに菌株全体の変動性を予測できることが示された。開発された予測モデル及びその結果はInternational Association of Food Protection 2023及びInternational Conference of Predictive Microbiology on Food 12において発表することが決まっている(両学会査読通過済)。加えて,耐熱試験を行った菌株の内,16菌株について、Hi-Fiシーケンサを用いた全ゲノム解析が完了した。得られたシーケンスデータをアセンブリすることで、環状の全ゲノム情報を取得することができた。次年度は,全菌株のゲノム解析を完了させるとともに,初年度で得られた耐熱性との関連因子を分析し,機械学習法を用いて遺伝情報からの生存特性の予測モデルを開発する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定より多い29菌株のCampylobacter jejuniについて,55°Cの加熱殺菌による生存挙動を測定した。また得られた生存挙動について,近年提唱された予測モデル開発手法である最確曲線法(Most Probable Curve method)を用いることで濃度推定時の不確実性を取り除いた予測曲線を作成した。さらに得られた予測モデルの一次パラメータの菌株差について,多変量正規分布を用いることで表現した。結果として10~15種類の程度の菌株の耐熱性をもとに菌株全体の変動性を予測できることが示された。
加えて,PacBio社のHi-Fiシーケンサを用いて16種類の菌株の全ゲノム情報を求めた。得られたシーケンスデータをアセンブリすることで単一の環状ゲノム情報を取得している。

今後の研究の推進方策

得られた29菌株のカンピロバクターの耐熱性に関するデータと遺伝情報を結びつけるために機械学習法を用いた耐熱性予測モデルを作成する。また,学習データの補完のため,さらなる菌株についての耐熱性試験および全ゲノム解析のためのシーケンスを行う。
加えて,現在までに実施した結果について,国際予測微生物学会(International Conference of Predictive Microbiology on Food)および国際食品保全学会(International Association of Food Protection)の両学会にて発表を行う。さらに,より詳しい結果と考察について,国際誌International Journal of Food Protectionへの投稿を控えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Development of a thermal inactivation model considering the thermotolerance variability of 19 Campylobacter jejuni strains using the multi-variate normal distribution and the Most Probable Curve method2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Abe, and Susumu Kawasaki
    • 学会等名
      12th International Conference on Predictive Modelling in Food
    • 国際学会
  • [学会発表] Strain variability of reduction behaviors of 19 Campylobacter jejuni strains under isothermal inactivation and the Bayesian predictive model of the survival kinetics2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Abe, and Susumu Kawasaki
    • 学会等名
      International Association of Food Protection Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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