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2022 年度 実績報告書

1分子蛍光観察による1細胞プロテオーム解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21J01016
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

日高 拓也  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワード1分子蛍光イメージング / 光シート顕微鏡 / プロテオミクス / 1細胞解析 / マイクロ流路デバイス
研究実績の概要

本研究で実現を目指す1細胞プロテオーム解析システムに必要な技術要素として、1. マイクロ流路デバイスによる1細胞サンプルの調製、2. マイクロウェルゲルを用いたハイスループットな電気泳動、3. 光シート顕微鏡による超高感度定量の3つが挙げられる。
2022年度はマイクロ流路デバイスによる1細胞サンプル調製、およびマイクロウェルゲルによるサンプル捕捉の効率が著しく低いという課題に直面し、本研究で求めるハイスループットな解析が難しいことが分かったため、システムの大幅な変更を行った。1細胞サンプルの調製方法を1細胞ソーティングとマイクロビーズへのタンパク質吸着を組み合わせたものに切り替え、さらに得られるサンプルをロスなく電気泳動するためにゲルの設計を変更した。まだ実験的な検証が必要だが、この手法により一度のランで300程度の1細胞サンプルが解析できると考えている。
また並行して2021年度に作成した顕微鏡制御システムの拡張と画像解析プログラム作成を行った。前者は特に、ビーズ位置を自動検出するプログラムを追加し、サンプルのある箇所のみを観察するようステージ等を制御することで、ゲル観察にかかる時間の最小化を試みている。また後者は観察時に生じるZ方向のずれを補正するプログラムに加え、crop, deskew, Z projectionまでをパイプライン化できており、今後は1分子検出とその定量を行うプログラムを追加する予定である。その他マイクロビーズや蛍光色素、電気泳動条件の検討を行い、電気泳動におけるS/N比の向上や広範囲の分子量領域でのバンド分離を達成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は当初予定したマイクロ流路デバイスを用いた1細胞サンプルの調製が難しいことが明らかとなり、戦略の大幅な変更が必要となったが、新たなサンプル調製法と電気泳動システムを開発できたことで、本研究で目指す1細胞プロテオミクス解析システムを構築する上で必要な各技術要素を確立することができた。顕微鏡制御システムの最適化と画像解析プログラムの開発も進んでおり、2023年度中にシステム構築の完了が十分に見込める。以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

最終年度となる2023年度では、これまでに確立してきた各技術要素を1つのパイプラインとして統合することで、目的とする1細胞プロテオミクス解析システムを構築する。また構築したシステムを用いて細胞周期や細胞分化におけるプロテオーム変化を捉えることで、本システムの有効性を示す。得られた結果は学会や論文等で積極的に発信し、技術普及に向けた改善点や本システムによりアプローチできる生物学的問題の探索を行うことで、より実用的なシステム開発を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Nanoparticle-Based Artificial Mitochondrial DNA Transcription Regulator: <i>MitoScript</i>2023

    • 著者名/発表者名
      Yang Letao、Rathnam Christopher、Hidaka Takuya、Hou Yannan、Conklin Brandon、Pandian Ganesh N.、Sugiyama Hiroshi、Lee Ki-Bum
    • 雑誌名

      Nano Letters

      巻: 23 ページ: 2046~2055

    • DOI

      10.1021/acs.nanolett.2c03958

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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