研究課題
本研究は、社会的交流の認知機能低下の予防可能性に着目し、超高齢社会における認知機能の維持に向けた予防的介入手法の開発とその効果検証を目指す。具体的に、本研究では軽度認知機能障害者等に遠隔会話プログラムの介入に用いるスマートフォンアプリケーションの開発ランダム化比較試験によって効果検証を行う。計画初年度である2021年度は、新型コロナウイルスの蔓延のため人を対象とする実験の実施が困難であった。そのため、(1)遠隔会話プログラムの介入に用いるスマートフォンアプリケーションの開発及び(2)非接触で行うランダム化比較試験の研究プロトコルの構築、(3)疫学データ解析による社会的交流に関するエビデンス蓄積を行った。特に、(2)非接触で行うランダム化比較試験の研究プロトコルの構築に関して、当初助成金申請当時は認知機能検査など介入前後検査を対面で実施する予定であった。しかし本研究は感染症の重篤化リスクが高いポピュレーションである高齢者を対象とするため、2021年度の感染動向から再検討し、介入前後検査についても非接触で行うようプロトコルを構築した。また、(3)疫学データ解析による社会的交流に関するエビデンス蓄積では、地域在住高齢者の長期追跡データを用い、潜在クラス分析を用いて社会的交流のクラス分類を行い、その成果が国際誌に掲載された。次年度以降、開発したスマートフォンアプリケーションを用いた介入プログラムをランダム化比較試験で効果検証する予定である。
3: やや遅れている
計画初年度である2021年度は新型コロナウイルスの影響から、プレサーベイ含めて人を対象とする実験の実施が困難であったこと、また緊急事態宣言等の外出自粛要請からアプリケーションの開発等が遅れたため。
次年度は、開発アプリケーションの完成と、アプリケーションの効果を測定するためのランダム化比較試験を実施する。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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