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2023 年度 実績報告書

卵母細胞-体細胞の相互シグナルによる卵胞の休眠と覚醒メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3149
配分区分基金
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

高瀬 比菜子  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード原始卵胞 / 卵母細胞 / WNTシグナル / シングルセルRNA-seq解析
研究実績の概要

本研究では、シングルセルRNAシーケンスを利用することにより、原始卵胞活性化プロセスの制御機構についてトランスクリプトミックな観点から洞察を得ることを目指した。顆粒膜細胞のWNT分泌と分化が抑制されるWntless (Wls)コンディショナルノックアウト (cKO) マウスをモデルとして利用することで顆粒膜細胞の役割に焦点をあてた。
顆粒膜細胞と卵母細胞に対して亜集団解析、発現変動遺伝子の抽出、エンリッチメント解析、転写因子ネットワークの解析を行った。我々のデータは、Wls cKO マウスの顆粒膜細胞は、活性化の後、即座にトランスクリプトーム上の変化を示すことを明らかにした。顆粒膜細胞の機能の確立においてWNTシグナルが重要な役割を果たしていることを示唆する。Wls cKO マウス顆粒膜細胞では細胞増殖、タンパク質の品質管理の低下が示唆され、逆に異常なTGFβ/BMP経路の活性化が検出された。これらの遺伝子群は顆粒膜細胞分化においてWNT シグナル伝達の影響を受ける分子経路と考えられる。
一方で、微小環境が破壊されたWls cKO マウスの卵母細胞については軽度の遺伝子発現シグネチャー上の異常を示すことが明らかになった。顆粒膜細胞におけるWNTシグナルの抑制は、卵母細胞のトランスクリプトームにはわずかな影響しか与えないものの、正常な発育の支持を著しく障害する。
本研究の成果は、微小環境の破壊が卵母細胞に及ぼす影響を明らかにし、卵胞形成におけるWNT シグナル伝達の役割を理解するための基盤を提供する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transcriptomic Signatures of WNT-Driven Pathways and Granulosa Cell-Oocyte Interactions during Primordial Follicle Activation.2024

    • 著者名/発表者名
      Hinako M. Takase, Tappei Mishina, Tetsutaro Hayashi, Mika Yoshimura, Mariko Kuse, Itoshi Nikaido, Tomoya S. Kitajima.
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/2024.02.08.579446

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Deciphering the Transcriptomic Landscape of Granulosa Cells and Oocytes in Mouse Primordial Follicle Activation2023

    • 著者名/発表者名
      Hinako M. Takase, Tappei Mishina, Tetsutaro Hayashi, Mika Yoshimura, Mariko Kuse, Itoshi Nikaido, Tomoya S. Kitajima.
    • 学会等名
      第33回モロシヌス研究会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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