• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

顎骨骨髄炎の新たな疾患概念の確立とバイオマーカーに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19J40070
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

矢原 寛子  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, ゲノム医科学プロジェクト, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2020-01-06 – 2024-03-31
キーワード顎骨骨髄炎 / バイオマーカー / RNA-Seq / メタゲノム / 微生物叢
研究実績の概要

顎骨骨髄炎の中に細菌性の疾患と免疫系の恒常性維持に異常を来した疾患が混在していることに着目し、両者を識別するバイオマーカーを探索する研究計画の中で、本年度は、昨年度までに収集させて頂いた健常者と非細菌性顎骨骨髄炎患者の血液から抽出したRNAを対象とした、1サンプル6Gb以上のRNA-Seqデータを解析した。国立遺伝学研究所のRhelixaパイプラインで、データのQuality Controlから遺伝子あたりのリード数のカウントまでを行い、それを標準化したTPM値を遺伝子発現量の指標として解析した。解析にあたっては、小サンプルのデータにも適用可能で、遺伝子どうしの発現量の関係をネットワークとして推定し、患者に特徴的なサブネットワークを明らかにする方法を用いた。解析の結果、9個のサブネットワークを同定し、その中には患者に特徴的な36個の遺伝子が含まれており、そのうちglycophorin C (GYPC) が最も、患者と健常者の判別に有効(感度73%、特異度78%)であることを明らかにした。GYPCは、赤血球の安定性の制御に重要な役割を果たすことが知られており、GYPC遺伝子の発現量が大半の患者で健常者よりも低いことから、非細菌性顎骨骨髄炎患者で赤血球の異常が生じていることが示唆された。以上の結果をまとめた論文を国際雑誌に出版すると同時に、口腔外科学会で優秀ポスター賞を受賞した。さらに、細菌性骨髄炎と非細菌性骨髄炎に特徴的で発症の引き金になり得る口腔内微生物が存在するかどうかを明らかにするために、両疾患の患者から収集させて頂いた唾液のショットガンメタゲノムデータの比較解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画していた実験・データ取得を一通り終了し、成果論文を国際誌に出版し、学会発表で賞を頂くことができた。

今後の研究の推進方策

引き続き唾液のショットガンメタゲノムデータの比較解析を進め、2023年度中に論文にまとめることを目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Whole blood transcriptome profiling identifies gene expression subnetworks and a key gene characteristic of the rare type of osteomyelitis2022

    • 著者名/発表者名
      Yahara Hiroko、Yanamoto Souichi、Takahashi Miho、Hamada Yuji、Sakamoto Haruo、Asaka Takuya、Kitagawa Yoshimasa、Moridera Kuniyasu、Noguchi Kazuma、Sugiyama Masaya、Maruoka Yutaka、Yahara Koji
    • 雑誌名

      Biochemistry and Biophysics Reports

      巻: 32 ページ: 101328~101328

    • DOI

      10.1016/j.bbrep.2022.101328

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 全血RNA-Seqによる顎骨骨髄炎の遺伝子発現バイオマーカーの探索2022

    • 著者名/発表者名
      矢原 寛子, 柳本 惣市, 高橋 美穂, 濱田 裕嗣, 浅香 卓哉, 北川 善政, 森寺 邦康, 野口 一馬, 丸岡 豊
    • 学会等名
      第67回日本口腔外科学会総会・学術大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi