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2022 年度 実績報告書

水流を感受する感覚器「感丘」の形態的多様性とその適応的意義

研究課題

研究課題/領域番号 22J01012
配分区分補助金
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

佐藤 真央  独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード感丘 / ハゼ亜目 / 形態学
研究実績の概要

本研究課題では,魚類がもつ,水流を感受するための感覚器官である側線系について,受容器(感丘)の形態的多様性を明らかにする.当該年度は,研究対象分類群であるハゼ亜目とテンジクダイ科について約40種を採集し,そのうち特に重要な研究対象種については電子顕微鏡によって全身の感丘の外形と感受方向性を観察した.それ以外の種については断片的に観察し,種間・種内・個体内において個々の感丘にどの程度の形態的差異があるのかの把握に努めた.その結果,ハゼ亜目の観察種において,感丘の方向性は先行研究によって報告された種も含む観察種間でほぼ同様あったが,特に感丘数が多い種においては先行研究で用いられている種にはない感丘列要素が認められた.感丘の外形やサイズについても概ね知見が得られたが,電顕画像においては固定不良や種の特性に起因する変形が認められたため,次年度以降に改めて確認する必要がある.
ハゼ亜目の観察と並行して他の分類群における表在感丘の観察も進めた.特にニシン目リュウキュウドロクイを中心的に観察し,本種にみられる駆幹部側線系の状態(表在感丘がよく発達し,ほぼすべての駆幹部鱗上にある)がニシン目の現生種においてにひろくみられるとの知見が得られた.この情報は,今後感丘の形態的多様性の系統的背景を議論するうえで重要となると予想される.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一部の種について全身の表在感丘の感受方向性を記録し,比較用の近縁種も採集することができた.しかし,感丘のゼリー状(クプラ)をよく保存したまま電子顕微鏡観察に供することが難しく,固定方法等を改善もしくは変更する必要がある.

今後の研究の推進方策

研究当初から予定している観察・計画は概ね可能であることが確認できたので,サンプルの処理方法等を再検討したうえでより角度の高い形態学的データ(計測値・電顕写真)の取得を目指す

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] リュウキュウドロクイNematalosa comeにおける側線系の形態学的研究2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤真央・中江雅典
    • 学会等名
      2022年度日本魚類学会年会
  • [学会発表] サクラマスにおける成長と側線系の関係は由来によって異なる2022

    • 著者名/発表者名
      中江雅典・長谷川 功・宮本幸太・佐藤真央
    • 学会等名
      2022年度日本魚類学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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