研究課題
本研究は,バランス能力が低下した個人の転倒回避動作をシミュレートし,予期せぬ外乱に対する転倒回避の成否を決定づける筋力発揮/制御特性を明らかにすることを目指している.具体的には,バランス能力が低下した個人の予期せぬ外乱に対する股関節内外転筋群の筋力発揮/制御特性の基準値を取得し,これらの能力の変化が転倒回避動作(下肢ステップ応答)の成否に及ぼす影響を解明する.本研究の進捗はおおむね順調である.本年度は,昨年度に構築した筋骨格モデルを用いて,ヒトの歩行動作をシミュレートすることで,加齢に伴う筋機能の低下が歩行中の身体重心の安定性に及ぼす影響を明らかにすることに取り組んだ.具体的には,健常成人の筋特性を反映した若年者モデルと加齢に伴う筋機能の低下を反映させたモデルを用い,歩行動作をシミュレートし,動作中のモデルの動的安定性を比較することで,歩行中の身体重心の安定性に大きく影響を及ぼす筋力発揮/制御特性を調査した.結果として,加齢に伴って最大等尺性筋張力が低下することで,歩行中の身体重心の安定性が著しく低下することが明らかになった.この研究成果は,今年の7月に開催される国際学会での発表を予定している(発表採択済).本年度の成果を踏まえ,次年度は歩行中に外乱が身体に加わった際の転倒回避動作をシミュレートすることで,予期せぬ外乱に対する転倒回避の成否と筋の力発揮/制御特性との因果関係を解明することに取り組む.
2: おおむね順調に進展している
本年度は,昨年度に構築した筋骨格モデルを用いて,ヒトの歩行動作をシミュレートすることで,加齢に伴う筋機能の低下が歩行中の身体重心の安定性に及ぼす影響を明らかにすることに取り組んだ.具体的には,健常成人の筋特性を反映した若年者モデルと加齢に伴う筋機能の低下を反映させたモデルを用い,歩行動作をシミュレートし,動作中のモデルの動的安定性を比較することで,歩行中の身体重心の安定性に大きく影響を及ぼす筋力発揮/制御特性を調査した.結果として,加齢に伴って最大等尺性筋張力が低下することで,歩行中の身体重心の安定性が著しく低下することが明らかになった.この研究成果は,今年の7月に開催される国際学会での発表を予定している(発表採択済).以上より,本研究の進捗はおおむね順調であると言える.
本年度の成果を踏まえ,次年度は歩行中に外乱が身体に加わった際の転倒回避動作をシミュレートすることで,予期せぬ外乱に対する転倒回避の成否と筋の力発揮/制御特性との因果関係を解明することに取り組む.
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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