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2022 年度 実績報告書

高圧培養実験と天然堆積物試料の解析から迫る海底下高圧環境の炭素循環

研究課題

研究課題/領域番号 21J01196
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

森 郁晃  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワード海底下生命圏 / 極限環境 / 炭素循環 / 生命生息限界
研究実績の概要

本研究は海底下炭素循環における微生物の役割解明を目標とし、バイオリアクターを用いた高温高圧条件下での培養実験によって、海底下高温高圧環境中の微生物の活性条件・代謝速度の測定を試みる。本年度は、バイオリアクターの性能検証および圧力変化に対する微生物細胞の増殖効率の変動検証を目的として、嫌気性超好熱菌2株(pyrococcus horikoshii, phycococcus yayanosii)の培養実験を行い、植菌後2時間間隔での連続観測を34時間実施した。P.Horikoshi とP.yayanosii共に高温高圧条件に設定したバイオリアクター内で、増殖することが確認された。また、植菌時の圧力変化がもたらす培養初期の増殖過程への影響を検討するため、(i) 常圧培養後に常圧条件下へ、(ii) 常圧培養後に高圧条件下へ、(iii) 高圧培養後に高圧条件下への3つの植菌条件に分けてP.Horikoshiを植菌した。その結果、常圧条件での培養に比べ、高圧条件での培養は対数的増殖が開始するまでに要する時間が長期化する傾向が確認された。また、(iii) 高圧培養後に高圧条件下に比べ、(ii) 常圧培養後に高圧条件下に植菌した系で増殖速度の低下が観測され、植菌時の圧力増加が培養過程へ影響することが示された。さらにバイオリアクターの環境試料への適応のため、培養容器の改善とテストを行い、堆積物試料の培養実験を開始している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高圧培養について、バイオリアクターを用いて純粋菌株の培養時における圧力変化について検証することができた。さらに培養容器について堆積物試料など固形の試料を培養可能にし、実際に培養が可能か検証した。今後、掘削試料を用いた高温高圧培養実験を継続的に実施する環境を構築できた。

今後の研究の推進方策

バイオリアクターを用いた実験環境を構築できたため、海底下の高温高圧環境での炭素循環の解明に向けて、掘削試料の高温高圧培養実験を継続的に実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Microbial community structure of dark and light layers in the Quaternary hemipelagic sediments2022

    • 著者名/発表者名
      Fumiaki Mori, Ann G. Dunlea, Tomohisa Irino, Takeshi Terada, Richard W. Murray, Ryuji Tada, Yuki Morono
    • 学会等名
      Asian Symposium for Microbial Ecology 12
    • 国際学会
  • [学会発表] 貧酸素海域への酸素供給がもたらす堆積物表層の微生物群集組成と呼吸活性の変化2022

    • 著者名/発表者名
      森 郁晃, 和田 実
    • 学会等名
      日本海洋学会 2022年度秋季大会
  • [学会発表] 海底下微生物群集の形成に及ぼす堆積環境の影響―IODP Exp. 378 ニュージーランド南⽅沖掘削による堆積物コア試料の微生物群集構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      森 郁晃, Ann G. Dunlea, 田中 えりか, 安川 和孝, 寺田 武志, 諸野 祐樹
    • 学会等名
      日本微生物生態学会 第35回大会

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公開日: 2023-12-25  

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