研究実績の概要 |
本研究の目的は、脳MRI画像の複数の撮像法から、画像的特徴を自動抽出して評価する認知症診断支援AIモデルを開発することである。2022年度は、国立循環器病研究センター(国循)の電子カルテ情報を使用するために、研究倫理審査委員会での承認を得た。後方視的に、拡散テンソル画像を含む、脳MRI画像が撮像された103例の症例のデータを収集した。対象者の特性は、年齢の平均(SD)は81.0(3.3)歳で、女性が50.5%、総海馬体積が6716mm3であった。今後は、脳MRI画像からの特徴量を加えて、解析を進めていく。 脳MRI画像を前処理する手法・並列処理が可能なマシン環境を準備した。3D-T1強調画像には、Freesurferなどを用いて、関心領域(ROI)の体積を算出する。FLAIR画像には、SPMのtoolboxであるLesion Segmentation Toolを用いて、大脳白質病変の体積を算出する。拡散テンソル画像には、FMRIB software library (FSL) を用いて、ROI毎にfractional anisotropy, mean diffusivityなどの値を算出した。上記により、撮像法毎に、数値化された画像的特徴量を得ることが可能となってきた。 来年度は、国循内で複数の撮像法を含む脳MRI画像を撮像したデータ、外部データの収集を行い、脳MRI画像データの前処理を行い、一般化線形モデル(GLM)等による認知症診断モデルを作成していく。
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