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2022 年度 実績報告書

超微粒子原子核乾板による方向感度を持った未開拓領域暗黒物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22J01541
配分区分補助金
研究機関東邦大学

研究代表者

白石 卓也  東邦大学, 理学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード暗黒物質 / 原子核乾板 / 中性子 / ナノ粒子発光
研究実績の概要

超微粒子原子核乾板による100keV以上の反跳陽子トラッキングを用いたBoosted WIMP探索および中性子測定のために、まず光学顕微鏡自動解析システムの高速化を行った。高速撮像カメラの導入、画像処理時のGPUの有効活用、対物レンズの低倍率化等を行うことで、一台当たり年間30gだった解析速度を年間500gまで向上させた。また、3次元トラッキングアルゴリズムの改良を行い、飛程や角度の自動測定精度を向上させた。このシステムを用い、産総研・中性子標準場施設で3H(p n)3He反応から放出される880 keV単色中性子を照射したサンプルを解析した。検出された反跳陽子の運動学的パラメータはシミュレーションによる予測と極めてよく一致し、sub-MeV帯においてもかなり詳細な中性子の情報が得られることを示した。
次に、イタリア・グランサッソ研究所地上施設において環境中性子測定を実施した。sub-MeV帯中性子信号として陽子弾性散乱のみ解析を行い、μ粒子による大気での中性子生成モデル(PARMAモデル)と無矛盾なフラックスおよびスペクトル・方向分布の測定結果が得られた。以上の結果をPhysical Review Cへ投稿し、現在はグランサッソ地下での中性子スペクトル測定を推進している。
また、もう一つの目的である乾板中のAgBr:I結晶の発光の研究については、WIMPの疑似信号として低速イオンによる発光の基礎研究を行うために、神奈川大学のイオン注入装置を用いた測定系の開発を行った。独自設計したチャンバーを新規導入し、光電子増倍管と分光器による高感度スペクトル測定、照射位置を変えるための2軸駆動系付きイオンマスク、ドーズ量モニターなどの開発を行った。今後、MPPCをチャンバー内に導入し、光電子増倍管とのコインシデンスをとることで、イオン照射時の発光特性をさらに精密に調べていく予定である。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

備考

応用物理学会秋季 注目講演プレスリリース(2022年9月14日)

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] グランサッソ研究所/ナポリ大学/ローマ大学(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      グランサッソ研究所/ナポリ大学/ローマ大学
  • [雑誌論文] Environmental sub-MeV neutron measurement at the Gran Sasso surface laboratory with a super-fine-grained nuclear emulsion detector2023

    • 著者名/発表者名
      Shiraishi T.、Akamatsu S.、Naka T.、Asada T.、De Lellis G.、Tioukov V.、Rosa G.、Kobayashi R.、D'Ambrosio N.、Alexandrov A.、Sato O.
    • 雑誌名

      Physical Review C

      巻: 107 ページ: 014608

    • DOI

      10.1103/physrevc.107.014608

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] グランサッソ研究所での超微粒子原子核乾板を用いた環境中性子スペクトル測定2023

    • 著者名/発表者名
      白石卓也、赤松咲耶、中竜大、浅田貴志、V. Tioukov、G. De Lellis、G. Rosa、小林龍太、佐伯加奈、陳夏姫、ダウディ由莉香、N. D'Ambrosio、A. Alexandrov、佐藤修、他NEWSdmコラボレーション
    • 学会等名
      日本物理学会 2023年春季大会
  • [学会発表] 超微粒子原子核乾板を用いたグランサッソでの環境中性子測定2022

    • 著者名/発表者名
      白石卓也、赤松咲耶、中竜大、浅田貴志、V. Tioukov、G. Rosa、小林龍太、G. De Lellis、佐藤修、久下謙一、他NEWSdmコラボレーション
    • 学会等名
      日本物理学会 2022年秋季大会
  • [学会発表] Environmental Sub-MeV Neutron Measurement in Gran Sasso with Ultra Fine-grained Nuclear Emulsion2022

    • 著者名/発表者名
      T. Shiraishi
    • 学会等名
      International Workshop UGAP2022
    • 国際学会
  • [備考] 暗黒物質解明をめぐる究極の物理探索の過程で生まれた、中性子の革新的イメージング技術

    • URL

      https://www.jsap.or.jp/docs/pressrelease/JSAP-2022autumn-chumoku-12.pdf

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公開日: 2023-12-25  

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