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2023 年度 実績報告書

新規固体電気化学測定系を用いた固固界面における電極反応機構の微視的解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3237
配分区分基金
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

久米田 友明  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, ICYS研究員

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード電極触媒 / 単結晶 / 反応機構 / エネルギー変換 / 酸素還元反応 / 水電解
研究実績の概要

最終年度では、昨年度から引き続き室温でのモデル電極反応として、(1)アルカリ性電解液中におけるPt(111)電極上の酸素還元反応(ORR)機構、および(2)アルカリ性電解液中におけるAu(111)電極上の水素発生反応(HER)機構の解析を実施した。また、低温下における固体電解液を用いた電気化学測定に関する研究では、セル設計の見直しおよび高濃度電解液の利用によって電解液温度の安定化と高い電気伝導率の達成を目指した。
(1)ORRに関する研究では、前年度までにLiまたはKイオンを含む電解液を用いて、電解質カチオンの選択が外圏型および内圏型ORR機構の選択性に影響することを明らかにした。最終年度では、新たにNaおよびテトラメチルアンモニウムイオンを用い、カチオンの親水/疎水性と外圏/内圏型機構の選択性との相関を系統的に評価した。その結果、Liのような親水的なカチオンほど外圏型機構を促進することがわかった。
(2)HERに関する研究では、これまでにKイオンを含む電解液中において過電圧が大きくなるにつれてプロトン移動機構が古典力学的過程から量子力学的過程へと遷移することを明らかにした。最終年度では、赤外分光法を用いて反応中における電極表面の水分子構造を分析することで、カチオンがプロトン移動機構に影響を与えるメカニズムを解明した。その結果、Kイオンは高過電圧下において電極表面に容易に接近し、水分子間の水素結合ネットワークを乱すことで量子力学的プロトン移動に適した水分子の二量体を形成することがわかった。
低温電気化学セルに関しては、前年度までの窒素ガスフローに加えてリボンヒータを用いた温度制御機構を導入することで、電解液凍結温度付近においても高い温度安定性が得られた。今後は、開発した低温電気化学セルを用いて、固固界面における電極反応機構解析に展開する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] University of Jyvaskyla(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      University of Jyvaskyla
  • [雑誌論文] Joint Kinetic/In Situ Spectrometric Investigation of the Multielectron/Multiproton-Transfer-Based Adsorption Electrode Process of Phosphate Anions on the Ir(111) Surface across a Comprehensive pH Range2023

    • 著者名/発表者名
      Kumeda Tomoaki、Sakaushi Ken
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry C

      巻: 127 ページ: 10341~10354

    • DOI

      10.1021/acs.jpcc.3c01287

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cations Determine the Mechanism and Selectivity of Alkaline Oxygen Reduction Reaction on Pt(111)2023

    • 著者名/発表者名
      Kumeda Tomoaki、Laverdure Laura、Honkala Karoliina、Melander Marko M.、Sakaushi Ken
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 62 ページ: e202312841

    • DOI

      10.1002/anie.202312841

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [備考] 電解液のイオンが電気化学反応の選択性を支配する

    • URL

      https://www.nims.go.jp/news/press/2023/12/202312260.html

  • [備考] 電解液中のイオンが電気化学反応の選択性を決定する

    • URL

      https://www.chem-station.com/blog/2024/02/pt111.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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