• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

会社等の実質支配者に係る開示規制の導入・進展と会社法法制および会社法理論への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0015
研究機関早稲田大学

研究代表者

中村 信男  早稲田大学, 商学学術院, 教授 (60267424)

研究分担者 石川 真衣  東北大学, 法学研究科, 准教授 (00734740)
内藤 裕貴  東北学院大学, 法学部, 准教授 (10808322)
川島 いづみ  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (50177672)
坂東 洋行  名古屋学院大学, 法学部, 教授 (60772382)
研究期間 (年度) 2022-10-07 – 2026-03-31
キーワード会社の実質的支配者 / 実質的支配者開示制度 / 支配株主の義務・責任 / Beneficial Owner
研究実績の概要

本研究は、株式会社その他の法人企業における実質的支配関係の透明化の確保と株式会社等における実質的支配者に対する会社法および資本市場法による体系的規律の構築が、国際的な共通課題であるとの認識のもと、この面で先行する英独仏の研究者や規制機関等と国際共同研究を遂行することで、わが国の会社法制・資本市場法制の立法論的検討はもとより、上記の共通課題に対する解決方策の検討・提言を行うことを最終目標とする。
令和4年度は、第1に、研究代表者および研究分担者(坂東・内藤)が、本研究の研究協力者であるハンブルク大学のG. Ringe教授および新たに関係を構築したゲーテ大学のTobias Troeger教授らと問題意識の共有等を図ることを目的とする研究ミーティングを行うため、例5年2月半ばにドイツに出張した。その際、ドイツの金融規制機関(BaFin)を訪問し、規制当局関係者との意見交換も行った。第2に、研究代表者および研究分担者(坂東・石川)は、令和5年3月前半にイギリス・フランスに出張し、本研究の共同研究者であるイギリス・バーミンガム大学ロースクールのLorraine Talbot教授およびその同僚であるAndreas Kokkinis准教授と、同大学にてワークショップを実施したほか、その後、フランスでの研究協力者として関係を構築したパリ政治学院(Sciences Po)のR. Bismuth教授および同政治学院に滞在していたゲーテ大学のKatja Langenbucher教授とのワークショップを同政治学院で行った。これらのミーティング等を通じ、共同研究者らとの問題意識の共有および対処すべき新たな課題の洗い出しを行うことができた。
なお、令和4年度は関連論文等の発表には至っていないが、令和5年度中に上記国際共同研究の成果の一部となる論文を研究代表者らが発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、株式会社等における実質的支配者に対する会社法・資本市場法による体系的規律の構築を目指すことを目的とするものであるところ、第1に、令和4年度後半における英独仏の研究者および規制当局関係者らとのワークショップ等を通じ、本研究において検討すべき共通課題に係る問題意識の共有と、新たな検討課題の洗い出しを行うことができた。また、立法面で先行する英独仏の共同研究者および研究協力者との研究協力関係も、既存のものについては強化し、新規のものは新たに開拓・構築することに成功した。これにより、本研究が目指す国際共同研究の展開・進展の基盤を確立することができている。
第2に、本研究は、令和4年度中における論文等の研究成果の発表には至っていないものの、研究代表者および研究協力者が執筆者となる複数の論文からなる特集が、令和5年度後半に専門雑誌において行われることが決まっており、研究成果の発表に向けた取り組みも順調に進んでいる。
こうしたことから、現在までの本研究の進捗状況については、「おおむね順調に進展している。」との自己評価を選択したものである。

今後の研究の推進方策

本研究の補助事業期間は、令和4年度から令和7年度までであるところ、第1に、令和5年度は、令和4年度の研究実績を踏まえ、研究代表者と研究分担者の坂東洋行教授とが、イギリスにおける実質支配者開示規制を概観し日本法への立法論的示唆を探る論稿を専門誌に掲載する。また、研究代表者および研究分担者の全員が日英独仏の各国法制等を分析する単著論文を令和5年9月以降に公表する予定である(掲載誌および掲載号は確定済み。)。これらを通じ、まずは比較法研究の対象となる各国法制の外観・検討を行う。さらに、令和6年度以降も継続的に研究成果を論文等として発表していく。
第2に、本研究の検討課題が、日本においても金融審議会で取り上げられ、今後の立法課題の一つに加えられることとなったこともあり、本研究の成果に対する関心は、非常に高まっている。そのため、研究代表者は、当該問題を管轄する金融庁の担当者との関係構築に成功しているところ、本研究の成果・知見を積極的にわが国の関連法制の改正議論のために提供することを予定している。こうしたこともあり、令和5年度中に、日本国内での緊急シンポジウムの開催を企画している。
第3に、本研究の共同研究者および研究協力者から、ウェブサイトを通じた英文での情報発信と、欧州内での全体的なミニシンポジウムの開催を希望する声が上がっていることを踏まえ、令和5年度中に専用ウェブサイトを開設する方向で作業を進めているほか、欧州内でのシンポジウム開催については、研究代表者が所属する早稲田大学のベルギー・ブリュッセル・オフィスか、共同研究者のL. Talbot教授が所属するバーミンガム大学ロースクールの施設を利用して、令和5年度中か令和6年度中に、欧州での国際シンポジウムを開催する予定である。その上で、最終年度の令和7年度に早稲田大学で国際シンポジウムを開催することとなる。

次年度使用額が生じた理由

本研究では令和4年度に係る次年度使用額が発生しているが、その理由は、主に、令和5年3月に実施した英仏研究出張について、研究分担者である川島いづみ早稲田大学教授が、日程の都合がつかず参加できなかったことによる。当該次年度使用額を令和5年度分として請求した助成金と合わせた助成金については、令和5年度中に欧州での国際シンポジウムを開催することができる場合は、当該シンポジウム開催のために使用し、国際共同研究の強化・推進のために役立てる。また、共同研究者のTalbot教授の都合が許せば、日本への招聘に用いることも検討している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] University of Hamburg/Goethe University Frankfurt am Main(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      University of Hamburg/Goethe University Frankfurt am Main
  • [国際共同研究] University of Birmingham(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Birmingham
  • [国際共同研究] Sciences PO(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Sciences PO
  • [学会・シンポジウム開催] Beneficial Ownership behind the Collective Investment Scheme2023

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi