研究課題/領域番号 |
22KK0017
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 満 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (50279303)
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研究分担者 |
阿部 和美 秋田大学, 国際資源学研究科, 助教 (00822230)
宮澤 尚里 早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), 主任研究員 (80625476)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | 伝統的制度 / 資源管理 / 多文化共生 / インドネシア / バリ州 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究では、伝統的コミュニティが、政治・社会・経済的変化に対し、どのように対応し、持続可能な方法で資源を管理ができるのかという、資源管理制度とそのアプローチを検証することを目的として、研究を開始した。 その背景として、環境資源を持続的に管理するうえで、地域特有の環境状況に適合し発展してきた伝統的制度や知識を適用することの重要性が、国際社会で再評価されてきたとことが背景にある。これまでのインドネシア及び東ティモールにおける調査で、地域で発展してきた伝統的制度や知識を資源管理に適用することで、伝統的制度が多様な機能を持っていることを明らかにしてきた。そして、伝統的制度は、急速な政治・社会・経済的変化の中で衰退しているケースもあれば、反対に、より強固になっているケースも観察された。 具体的には、インドネシアにおいて、インドネシア国立ウダヤナ大学と協力し、フィールド調査を実施し、上述の研究目的の内容を以下のように調査した。それは、伝統的制度、伝統文化、伝統的組織と農業に関する政策、適用されている事例、その実態について調査することであった。実際、地方自治体、大学、NGO、村落組織、伝統的グループの関係者等に対して、インタビュー調査を実施したことで、異なる視点からの有益な情報を聞き取ることができた。また、研究分担者が国際会議の招聘を複数回受けたことで、共同研究を活発させることもできた。来年度以降はコロナ禍の規制が解除されたことで、本共同科研研究者や協力者も含めて、研究内容等の相互の発表を通じて、同共同研究における成果を引き続き共有していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地フィールド調査を実施することができ、地方自治体、大学、NGO、村落組織、伝統的グループなど関係者へのインタビュー調査が実施でき、貴重な知見が得られ、本共同研究を進める上での蓄積が得られた。また、本共同研究に合わせて展開予定の実務的な関連プロジェクトを通じて、インドネシアのバリ州に位置するドゥインドラ大学学長の早稲田大学訪問を受け、共同研究機関のインドネシア国立ウダヤナ大学以外の学術研究協力の幅を拡大することができた。さらに、現地バリでは長年インドネシアの農業指導に従事する一方で、バリの伝統的な制度にも精通する日本人実務者からの貴重な情報と知見も得ることができた。今後は、本共同研究の現地研究協力者として情報・知見の共有を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の制約が解除されたことを受け、改めて伝統的コミュニティが主体となり、地域の資源管理をしている複数の地域を比較するための、フィールド調査を積極的に行う。特に、伝統的制度の新たな役割と、影響している政策について、調査と分析を行う。政府機関、大学、NGO、伝統的組織の関係者らに対し、異なる立場からの見解を聞き取りすることで、本共同研究における分析をさらに進める。また、ヒアリング調査と文献調査の結果を照合し、伝統的組織の新たな役割と政策の関連性についても積極的に分析する。研究成果として、共同研究者及び協力者の相互交流を前提に国際ワークショップを開催する。それらの研究成果を随時まとめ、研究代表者が所属する機関の先端社会科学研究所やAHCプロジェクト研究所のウェブサイトやワーキングペーパーとしても発表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は共同研究を推進する上で例外的に本共同研究プロジェクトの中心的な役割を果たす研究協力者の宮澤尚里の海外出張の許可を得たが、研究代表者の山田満、並び研究分担者の阿部和美氏は海外渡航を控えざるを得なかった。そのため、海外調査に充てていた研究費が未使用額になった。しかしながら、今年度はコロナ禍の規制が解除されたことを踏まえ、3人の共同研究者が本来の研究分担業務を踏まえて海外調査を実施したい。なお、共同研究者の海外渡航のみならず、共同研究機関の研究協力者らを招聘し、早稲田大学先端社会科学研究所、地域・地域間研究機構AHC研究所並びに、現地インドネシア国立ウダヤナ大学での国際ワークショップの開催を実施し、共同研究成果の加速を図りたい。
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