研究課題/領域番号 |
22KK0028
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 みゆき 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任准教授 (20883276)
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研究分担者 |
石川 美智子 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 教授 (30733258)
伊藤 佐奈美 中部大学, 現代教育学部, 教授 (30806906)
辻 紳一 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (50910733)
長谷 守紘 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 講師 (90962738)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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キーワード | 日本型教育 / バングラデシュ / インクルーシブ教育 / 衛生教育 / 教育トランスファー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,バングラデシュにおける日本型教育モデルを推進する学術基盤の構築である。そのためにバングラデシュにおけるインクルーシブ教育と衛生教育の実態を調査し、バングラデシュ教師/研究者に対して日本型教育への理解を促すとともに、バングラデシュ版日本型教育モデルを、日本およびバングラデシュの教師/研究者と協働開発する。 1年目に当たる本年度は、バングラデシュのインクルーシブ教育と衛生教育の先行研究の収集ならびに分析を実施した。また、ダッカ大学心理学部のカマル教授らのバングラデシュ研究チームとの打ち合わせをオンラインで月1回実施し、今後の研究計画について検討した。バングラデシュの研究者らから、バングラデシュにおける教育制度、障害児教育およびインクルーシブ教育と衛生教育について意見をうかがい、現在、バングラデシュの教育現場が抱えている課題や日本型教育に期待することについて確認した。日本人研究チームは、打ち合わせをオンラインで月1回実施し、日本型教育の海外展開の動向について調査し、また、日本型教育、通常学級における障害児のインクルーシブ教育、障害児教育、衛生教育について意見を交換し、バングラデシュで活かせるような知見を整理した。 バングラデシュの教育制度およびインクルーシブ教育について、石川が論文にまとめ発表した。日本型教育の南アジアでの展開の可能性について、石川と松本が国際学会で発表した。日本型教育の海外展開の動向について、松本が国内学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今後の研究計画について、バングラデシュ(ダッカ大学)のカマル教授らと、協議を進めており、研究の方向性およびスケジュールについてほぼ合意が得られている。具体的には、2年目にダッカ大学で実施する日本型教育(インクルーシブ教育と衛生教育)についての研究集会の内容や日程等の調整準備が進んでいる。さらに、バングラデシュで教員らに使用する尺度およびインタビュー項目の整理を行っている。質問紙調査は研究集会に参加した教員に実施するが、回答数が足りない場合にはダッカ市内の学校に依頼して調査を実施する予定である。インタビュー調査も研究集会に合わせて実施する。それらの調査を実施する対象校については選定が進んでいる。このため、研究計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2年目はまず、ダッカ大学で日本型教育(インクルーシブ教育と衛生教育)について研究集会を開催し、バングラデシュの学生/教師/研究者に日本型教育の啓発を行う 。それにあわせて、バングラデシュの教育(インクルーシブ教育と衛生教育)について質問紙調査(300名)と教師へのインタビュー調査(3校計30名)を行う。研究集会に参加した教師に対して質問紙調査を実施する予定であるが、数が足りない場合には、ダッカ市内の学校に依頼して調査を実施する。すでとられている日本人教師と合わせて、比較分析を行う。さらに、これらを受けて比較検討を行いバングラデシュ版モデルの仮説をたてる。モデルの仮説について、バングラデシュ学生/教師/研究者に助言をいただきその過程を分析する。 3年目はモデルの実践を、バングラデシュの3学校で各1週間3回にわけて行う。実践の前後で教師・児童へインタビュー調査、学校開放性・学校人間関係・手洗い等質問紙調査を実施分析し、バングラデシュ版モデルを完成させる。4年目はバングラデシュ8行政区の内,6地区で各1週間日本型教育を実践する。また、ダッカ大学に日本型教育センターを設置し、バングラデシュ版モデル等のデータを備蓄する。そのうえで、日本型教育トランスファー・持続可能な学校作り等の基礎の理論化とモデル案を作成する。そこで特に、教師の多忙・グローバル教育の日本型教育の課題解決を明らかにする。さらに、学校開放性を通しバングラデシュ版モデルと地域の関係、インクルーシブ教育および衛生教育を分析する。5年目はダッカ大学と日本で,国際シンポジウム「持続可能な日本型教育」で、4年間の成果の公表を行う。また,国内外の学会に対しても積極的に行い学会以外にも広める。研究成果は随時WEBで公開する。また最終成果のモデルに基づいたプロジェクト企画の応募という発信も積極的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査に用いる尺度の翻訳費用(日本語からベンガル語、英語からベンガル語)が発生したため、その費用に充てる。当初、教師に対する質問紙調査を英語のみで実施する予定であったが、バングラデシュの教育事情からベンガル語でないと実施が困難と判断したため。
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