研究課題/領域番号 |
22KK0054
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80222066)
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研究分担者 |
李 敏赫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (80828426)
三好 智也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (90809641)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | 環境発電 / エレクトレット発電機 / 非線形電源管理回路 / SC-SECE / モードスイッチング |
研究実績の概要 |
本研究では,フランス・サヴォアモンブラン大学(USMB)のAdrien Badel教授との国際共同研究を通じて,手首装着用の回転型エレクトレット発電機に特化した新規性の高い非線形電源管理回路の開発を目的としている.特に,実際の腕振り運動を入力として,機械的特性と電気特性が強くカップリングする回転型エレクトレット発電機の高電圧交流出力を直流変換する電源管理回路に取り組み,装着者の体格や歩行速度によって変化する機械的入力に対応して動的に電気特性を変化させ,より大きな電力を得ることのできるチューナブルな非線形電源管理回路の開発を目標としている. 本年度は,外部からの加振力が弱いときに発電量の低下を防ぐため,電気的減衰力を弱めるためのSC-SECE回路について,制御に用いる低電圧IC回路の設計及び試作を2回行い,課題の洗い出しを行い,ほぼ最終形の回路を設計した.また,SC-SECEにおいて,発電機出力をスイッチングする高耐圧ICの試作も行った.さらに,歩行時の腕振り運動だけでなく,日常動作の運動からもより大きな発電量を得るため,日常動作の運動からもより大きな発電量を得るため,回転型エレクトレット発電機の振動モードをカオス理論に基づいて制御する手法について,電気機械モデルを用いたシミュレーションにより系統的な検討を行い,一時的に発電機をモーターとして動作させることによって,大幅な出力増大が可能であることを明らかにした. さらに,2023年9月には,研究代表者がUSMBを2週間訪問して,電源管理回路によるモードスイッチングについて議論を深めた.また,USMBからの交換留学生が半年滞在して,回転型エレクトレット発電機の室内風力発電への適用について検討を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初目標に沿って,電気機械モデルを用いた解析,高出力化のための回転型エレクトレット発電機の新しい制御方法の提案,電源管理回路のためのIC試作を進めた.また,一時的に発電機をモーターとして動作させることによって,大幅な出力増大が可能であることを明らかにし,新たな発想による電源管理回路の具体的目標が定まった.
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今後の研究の推進方策 |
SC-SECE回路を発展させて,一時的に発電機をモーターとして動作させることによって,ローターの振動モードを変化させて,出力増大を行う回路を試作し,実際に発電実験を行うことを目標とする. また,2024年度も研究代表者がフランス・サヴォアモンブラン大学(USMB)のAdrien Badel教授を訪問し,連携を深めると共に,国際共著論文を仕上げることを予定している.
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