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2023 年度 実施状況報告書

沿岸巨大波の実験的証明

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0057
研究機関北海道大学

研究代表者

渡部 靖憲  北海道大学, 工学研究院, 教授 (20292055)

研究分担者 新井田 靖郎  一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (10817703)
大塚 淳一  国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 主任研究員 (50540556)
加島 寛章  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (60463098)
福井 信気  鳥取大学, 工学研究科, 助教 (70962306)
研究期間 (年度) 2022-10-07 – 2026-03-31
キーワード水工水理学
研究実績の概要

タスク1 水深変化,流れを伴う沿岸域における空間集中巨大波
申請者が開発した流れ中の波浪集中理論を数値的造波信号に変換するアルゴリズムを開発した.これをもって,エジンバラ大学所有の大型実験施設FloWaveにおいて,沿岸域で波浪伝播の特徴である水深変化及び流れによる浅水変形を伴う分散性波群の空間集中を発生させ,アルゴリズムの妥当性を検証した.国内研究者5名全員及び海外研究者2名によってFloWaveにおいて実証実験を行った.はじめに,発生させる流れの水平流速の鉛直分布を水槽全面に渡ってAcoustic Doppler Velocimeterによって計測し,流れパラメータを確定させた.流れなしでの巨大波生成は理論と矛盾なく成功し,大規模波浪集中を実証した一方,高速流れ中では集中距離及び時間が変動し,さらなる検討が必要であることが判明した.各地点における水位変動分布及び撮影画像を国内の研究機関に持ち込み,分析を行い,周波数,波数遷移と増幅率の関係を調査した.高速流れにおける集中位置の理論との差異が,造波信号作成プログラムにおけるバグであることを明らかにし,修正を行った.
タスク2 交差波間の非線形エネルギー輸送を経た非線形集中巨大波
多方向からの集中波群を1点の集中地点において巨大波を生成する理論を,波数の経路積分に対するフェルマーの原理から解析し,多項式近似を行って時間変動する初期造波角度を与えるアルゴリズムを開発し,数値実験からその妥当性を検証した.この理論に基づいた造波信号生成プログラムを作成した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高速流れ中の集中位置に対する理論との差異が実証実験において発覚した一方,他のケースでは矛盾なく巨大波生成を実現しており,また造波信号の修正プログラムは完成したことから,研究計画への影響はなく,研究は概ね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

実証実験において発覚した高速流れ中の集中位置に対する理論との差異について問題は解決済みであり,令和6年度の実験においてその検証を行う.

次年度使用額が生じた理由

実証実験前の海外研究者との技術共有が効率的に進み,渡航前に事前準備が整ったため,当初予定していた渡航期間を若干短縮することができた.令和6年度においても海外研究者との事前の技術共有,検討を進め,適切な渡航期間での実証実験を行う予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] エジンバラ大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      エジンバラ大学
  • [雑誌論文] 渦-波相互作用を経た波浪変形2023

    • 著者名/発表者名
      WATANABE Yasunori、IIYAMA Yu、MITOBE Yuta
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: 23-17002

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 海洋画像観測による白波波峰長と残留泡沫のスペクトル特性2023

    • 著者名/発表者名
      WATANABE Yasunori、MINAMI Kent、SARUWATARI Ayumi、BABA Yasuyuki、KUBO Teruhiro、MORI Nobuhito、UCHIYAMA Yusuke、SHIMURA Tomoya、OTSUKA Junichi、NIIDA Yasuo、NINOMIYA Junichi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: 23-17007

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本海-オホーツク海経路の冬季爆弾低気圧の将来変化と最大高潮水位への影響2023

    • 著者名/発表者名
      NOMURA Akihiro、SARUWATARI Ayumi、WATANABE Yasunori
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: 23-17038

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17038

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自由水面下の渦間の不安定2023

    • 著者名/発表者名
      WATANABE Yasunori、KIKUCHI Riku、SARUWATARI Ayumi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: 23-17008

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17008

    • 査読あり
  • [学会発表] Evolution of planar forms of experimental wind-waves2023

    • 著者名/発表者名
      Haruki Kuroda
    • 学会等名
      11th International Conference on Asian and Pacific Coasts 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Short crest wave breaking of planar converging wave trains2023

    • 著者名/発表者名
      Ren Fujisawa
    • 学会等名
      11th International Conference on Asian and Pacific Coasts 2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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