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2023 年度 実施状況報告書

建築ファサードの激しい火災性状に関する実験的解明及び精緻な予測技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0062
研究機関東京大学

研究代表者

吉岡 英樹  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90462564)

研究分担者 野口 貴文  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80208321)
大宮 喜文  東京理科大学, 創域理工学部建築学科, 教授 (10287469)
西尾 悠平  国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, 主任研究員 (20793334)
研究期間 (年度) 2022-10-07 – 2028-03-31
キーワード建築ファサード / 火災実験 / 火災CFD
研究実績の概要

(1)火災実験
JIS A 1310に関して、不燃性ファサードを使用したキャリブレーション試験(袖壁なしの状態)、袖壁を設置した試験、対向壁を設置した試験を実施した。袖壁付きの場合は袖壁と主壁における開口端部の距離をパラメータとして変化させて(50~400 mm)実験を実施し、離隔距離が火災性状に及ぼす影響についても検討した。更に、共同研究相手である米国FM Globalメンバーが日本の建築研究所を訪問し、火災実験の様子を実験棟で確認していただいた。
(2)CFDツールの活用
特にFireFOAMを使用して、上記JIS A 1310に基づく火災試験の再現計算に関する検討を実施した。なおCFD計算に関しては、米国出張時に限らず、電子メール送信やWeb会議開催によって、FM Globalの専門家から適宜、助言を仰ぎながら進めた。
(3)火災実験結果とCFD解析結果の組合せ検討
FM Globalに当該科研費メンバーで赴き、最新の火災実験結果やCFD解析結果を共有すると共に、火災実験の詳細に係る質問事項に回答すると共に、CFD専門家らによる助言を仰ぎ、今年度の成果概要を確認すると共に、次年度の発展的内容(実験・CFD共に)について合意に至った。特に、キャリブレーション試験時における袖壁と開口端部の距離をパラメータとして変化させる実験およびCFD解析について、英国系国際査読ジャーナルFire and Materialsに査読論文が採択されたうえ、表紙を飾ることも出来た(2024年6月号)。更に、実験に特化した内容に関しては、Swedenルンド大学で開催される4th International Symposium on Fire Safety of Facadesで、口頭発表として採択され、講演予定である(2024年6月)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

(1)概要
「研究の目的」、「研究実施計画」に照らし、予定通り、滞りなく実施できた。
(2)懸念事項およびその結果
なお建築研究所におけるファサード試験用のエリアの床面が水平でない箇所があったため、急遽、同じ実験棟内で場所を変えて、多目的エリアを使用して、JIS A 1310ファサード試験を実施することが可能となり、結果的に予定通り、火災実験を滞りなく実施することが可能となった。
(3)区分選択の詳細理由
当初予定通り、滞りなく実験、火災CFD共に、実施することが出来た。特に、キャリブレーション試験時における袖壁と開口端部の距離をパラメータとして変化させる実験およびCFD解析について、英国系国際査読ジャーナルFire and Materialsに査読論文が採択されたうえ、表紙を飾ることも出来た(2024年6月号)。更に、実験に特化した内容に関しては、Swedenルンド大学で開催される4th International Symposium on Fire Safety of Facadesで、口頭発表として採択され、講演予定である(2024年6月)。当該内容は、先進各国において定性的に重要性は指摘されているが、定量的に扱った研究論文は管見の限り、我々のグループのみであり、国際的にも極めて価値が高いものである。従って、(1)当初の計画以上に進展、を選択したものである。

今後の研究の推進方策

(1)全体概要
基本的には研究計画の通り滞りなく、継続して進めて行く予定である。

(2)当初の研究計画から追加が生じる可能性・項目
現時点でまだ確定してはいないが、火災実験とCFD解析結果の比較を進めるにあたり、実験側も更に詳細な設定が必要となっており、チャンバー内に設置するバーナーの火源として、プロパンガスに加えて都市ガスの使用も比較目的として、追加する可能性がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] FM Global(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      FM Global
  • [雑誌論文] Large eddy simulations fire modeling of JIS A 1310 facade calibration test with respect to sidewall2024

    • 著者名/発表者名
      Xukun Sun, Hideki Yoshioka, Takafumi Noguchi, Yuhei Nishio, Yoshifumi Ohmiya, Tetsuya Hayakawa, Biao Zhou
    • 雑誌名

      Fire and Materials

      巻: Volume 48, Issue 4 ページ: 411-425

    • DOI

      10.1002/fam.3192

    • 査読あり
  • [学会発表] Sidewall Effect on Flame Spread during Facade Calbration Test: An Experimental Study2024

    • 著者名/発表者名
      Hideki Yoshioka
    • 学会等名
      4th International Symposium on Fire Safety of Facades
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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