研究課題/領域番号 |
22KK0097
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 渉 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70393262)
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研究分担者 |
目堅 博久 宮崎大学, 産業動物防疫リサーチセンター, 准教授 (90633264)
一二三 達郎 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (90790949)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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キーワード | アフリカ豚熱 / 診断法 / 環境動態 |
研究実績の概要 |
グローバル化に伴い脅威が増大しているアフリカ豚熱の世界流行に対して、高感度かつ迅速な新しい診断法を開発すべく、ベトナム国立農業大学と共同研究を開始した。日本国内で取り扱い可能なウイルスを唾液に対して添加し、試行錯誤の末に、高い濃縮効果を示す方法(以下、「開発法」という)を試作した。研究代表者がベトナム国立農業大学を訪問し、この開発法の原理説明とデモンストレーションを行った。ベトナムの豚から採取した唾液に培養したアフリカ豚熱ウイルスを添加した結果、従来のDNAキット抽出法と比較して、100倍以上、高感度な検出がリアルタイムPCR法によって実現できることが分かった。現地の共同研究者も大変興味を示し、ベトナムで野外サンプルを収集し、さらなる性能評価を進めることとなった。研究代表者がベトナム国立農業大学を訪問した際に、2つのテーマから構成される特別セミナー(1. グローバル化と越境性動物感染症・2.開発法などの原理説明と社会実装)を若手研究者と学部生・大学院生向けに行い、学術交流を推進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベトナムでアフリカ豚熱ウイルスを用いて、日本国内で開発に取り組んでいたウイルス濃縮検査法の予備的な性能評価を実現できた。結果は期待通りの高感度を示した。現地の共同研究者も大変興味を示したことから、今後の共同研究を円滑に進めるための足掛かりを得ることができた。さらに、現地で特別セミナーを若手研究者と学部生・大学院生向けに開催することで、学術交流と問題共有、相互理解を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現地の共同研究者にサンプリングをしていただき、臨床サンプルを用いた開発法の性能評価を進める。現地の若手研究者を日本に招聘し、開発法などの様々な技術や知識を習得してもらう。日本側からも現地を訪問し、開発法の微修正、技術支援、相互交流などをすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
掲載受理済の論文掲載費(APC)の支払いが2023年度にずれこんだ。ベトナム側若手研究者1名を年度内に招聘する予定だったが、ビザ取得などに時間を要し、招聘が2023年4月になった。
APCの支払いとベトナム側若手研究者の招聘費用(残額がでれば消耗品の購入)に使用する。
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