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2022 年度 実施状況報告書

赤血球期マラリア原虫における滑走運動の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0114
研究機関愛媛大学

研究代表者

矢幡 一英  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40467965)

研究分担者 山中 聡士  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 特定助教 (50853884)
佐倉 孝哉  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60816726)
研究期間 (年度) 2022-10-07 – 2025-03-31
キーワードマラリア / メロゾイト / 滑走運動
研究実績の概要

マラリア原虫を含むアピコンプレクサ原虫は、「滑走運動」と呼ばれるユニークな運動機構を使って宿主細胞・組織上を滑走した後、宿主細胞に侵入することが知られている。近年、我々はマラリア原虫メロゾイトがアクトミオシンモーターを用いて滑走運動していること、さらに、この滑走運動が赤血球変形と呼ばれる現象を起こして赤血球侵入を推進していることを見出した。マラリア原虫スポロゾイトでは滑走運動に関わる分子としてTRAPファミリーが知られているが、マラリア原虫メロゾイトの滑走運動に関わりワクチン抗原候補として考えられる原虫分子は同定できていない。そこで、マラリア原虫メロゾイトの滑走運動に関わる原虫分子を明らかにし、マラリア原虫メロゾイトの滑走運動および赤血球接着時における赤血球変形の動きの背景にある分子機序を解明することでマラリア克服のための新たな標的とシーズを創出する。本年度は以下の研究成果が得られた。
1. マラリア原虫と同じ原虫種であるトキソプラズマ原虫で明らかとなった、原虫アクチンと原虫表面分子を繋ぐコネクター分子(PfGAC)にMyc、AGIA-AirID、AGIA-TurboIDタグを熱帯熱マラリア原虫に付加した遺伝子組換えマラリア原虫作出に着手した。Mycタグを付加した遺伝子組換えマラリア原虫が得られたため、分裂期マラリア原虫よりタンパク質を抽出し、抗Myc抗体等で共免疫沈降したタンパク質を回収した。質量分析法によりタンパク質を解析し、PfGACに結合する原虫分子を同定した。
2. PfGACの局在と共免疫沈降実験のため、PfGACを無細胞タンパク質合成により組換えタンパク質を作製し、得られた組換えタンパク質を用いて抗体を作成している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PfGACにMycタグを付加した遺伝子組換えマラリア原虫が作出できたので、PfGACに相互作用している分子を同定するためIP-MS解析している状況である。

今後の研究の推進方策

Mycタグを付加した組換え原虫が得られたため、プロテオミクス解析を加速させる。研究環境面では研究人材を確保することに努めるが、共同研究者を広げることでプロジェクトをさらに推進させる。

次年度使用額が生じた理由

物品費としてマルチプレートリーダー(400万円)を早期に導入予定であり、機種選定中である。また、国際共同研究者の所属移動があり、2022年度に研究滞在が出来なかったため、その期間を2023年度に変更する。

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公開日: 2023-12-25  

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