研究課題/領域番号 |
22KK0131
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清野 研一郎 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20312845)
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研究分担者 |
岩原 直也 北海道大学, 大学病院, 助教 (30963590)
大塚 亮 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 客員研究員 (50853165)
広瀬 貴行 北海道大学, 大学病院, 助教 (80963595)
堀田 記世彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (90443936)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | 免疫寛容 |
研究実績の概要 |
臓器移植の長期生着例では、慢性拒絶反応や免疫抑制剤の投与を原因とした移植片の喪失などの問題が存在する。その解決策として一定期間の免疫抑制療法の後に免疫寛容を誘導するDelayed Tolerance Induction(DTI)の技術が期待されている。我々はDTI実施に向け、移植片からiPS細胞を経て免疫寛容源細胞を分化誘導することを着想し、マウスレベルで研究を進めてきた。これまでにマウスiPS細胞から造血幹・前駆細胞(iHSPC)を誘導し、キメリズム法により移植片に対する免疫寛容を誘導することに成功した。本研究ではサル腎移植実験が日常的に行われている米国Massachusetts General Hospital(MGH)Tatsuo Kawai教授と共同で、サル移植腎由来iPS細胞を用いたDTIの可能性について検討する。 本年度は研究代表者の清野と若手研究者である大塚と岩原がKawai Lab.に赴き、カニクイザル腎移植モデルを用いiPS細胞を用いたDTIの実現可能性について検討を行う。また、安全性に関する検討という意味で、北海道大学腎泌尿器外科においてヒト臨床腎移植症例から移植片細胞を得、iPS細胞を作製する。そのための倫理委員会資料を作成し、最近承認された。本国際共同研究の推進により、我が国の強みであるiPS細胞を用いた免疫寛容誘導研究に関する国際的な研究ネットワークが力強く構築される。また、基礎ならびに臨床出身の若手研究者が参画することで、今後の国際的な活躍と移植免疫に関する中長期的な国際共同研究基盤が維持されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた通り、研究代表者ならびに若手研究者が現地に赴き、研究打ち合わせを行うとともに、次年度の研究に向けた準備をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
カニクイサルからのiPS細胞を作成し、iHSPCの分化誘導を行う。またヒト腎移植片から細胞を得、iPS細胞の作製を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度必要なものは調達済であり、次年度に繰り越す残額については、 (価格が高騰している)抗体の購入に充てる。
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