研究実績の概要 |
尿酸は、栄養由来成分としてのみならず、抗酸化物質や疾患原因物質として、多方面から研究が進んでいる内因性物質である。本研究では、既知の尿酸輸送体において遺伝子変異に伴う機能低下が認められない痛風・高尿酸血症・低尿酸血症例に着目し、未知の病因遺伝子:存在が確実視されるもその実体が未だ明らかとされていない新規尿酸輸送体を探索・同定する。中央ヨーロッパのグループとの密な連携が必要となるが、これまでにも数々の共同研究を進めてきた経験から、栄養生理学的に重要な成果が得られるのみならず、国際共同研究基盤のさらなる強化と国際ネットワークの拡張も大いに期待される。 研究開始初年度にあたる本年度(令和4年度)には、以下の点を明らかにすることができた。 ●チェコ共和国(Institute of Rheumatology, Prague; Department of Rheumatology, First Faculty of Medicine, Charles University, Prague; Department of Pediatrics and Inherited Metabolic Disorders, First Faculty of Medicine, Charles University and General University Hospital, Prague)、スロバキア共和国(Nephro Dialysis Center, Michalovce; Nephro Dialysis Center, Michalovce)、北マケドニア共和国(Faculty of Medicine, University Ss. Cyril and Methodius, Skopje)との国際共同研究の結果、新たな腎性低尿酸血症2型の病因変異として、機能消失を生じる新規のGlucose transporter 9 (GLUT9)/SLC2A9変異を同定した。
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