研究実績の概要 |
無線通信の根本的資源は周波数だが, 有限で, 既に多くの無線システムに割当て済みのため,底をつこうとしている. そのため, 有限で貴重な無線資源で, 膨大な通信データ量に対する複数の相反する評価指標を同時に高性能で達成できる, 新たな無線通信技術の開拓が必要である. 本国際共同研究は, 様々な課題に総括的に取り組むという独自のアプローチで, 超多数接続と高通信品質を同時に可能とし,かつ省電力な次世代Internet of Things (IoT)無線ネットワークを設計する.従来法では実現されていない,現実の厳しい干渉環境やモバイル環境においても, 6G が求める省電力性・高通信品質・超多数接続をリアルタイムで達成し, 近未来のスマート社会基盤の構築に貢献する. 本研究は省電力無線ネットワーク設計が専門のパリ・サクレ大のチームと行う.
2022年度(2022/10~2023/3)は,先ずB5G に向けたマッシブMIMO-BF 法, IRS 技術や強化学習を活用した最新の文献を調査し, 無線通信システムやモデル化の初期検討を行った.それを下に, IoT ショートパケット通信のための,深層強化学習法とDifference of Convex Programming (DCP法)に基づく数理最適化手法を活用し,周波数帯選択法と無線資源割当て最適化法を提案した.従来の割当て法に比べて,伝送速度と遅延の性能を大幅に改善できることを計算機シミュレーション評価で示した.
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