本研究の主な主張の一つは、地政学的な動向の影響によりグローバルな協力 が難しくなる中、地域間や同志国間などのサブレベルでの協力がますます重要になってきているということだ。政治的緊張が高まりを受けて、戦後のリベラルな国際秩序の基盤をなしてきた多国間主義は変容を余儀なくされていおり、共通の価値観を共有するより小さな単位で特定の問題に取り組む動き(ミニラテラリズム)が近年盛んだ。ただし、ミニラテラリズムではグローバルイシューとしての感染症の問題を解決 するのは限界がある。本研究ではイノベーションという観点から、サブレベルの取り組みとグローバルな取り組みをいかに連携させるかということを検討した。
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