研究課題
本研究は、ある国・地域の歴史・文化に根差し、かつそこで現代を生きる人々が理想と考える教育方法を、異なる文脈で構築することを目的とする。基課題(若手研究22K13651)で対象としてきた東西アフリカ2か国(タンザニア・ガーナ)に、本研究により中南米メキシコを比較軸として加え、理想とされる教授法を各国・各大陸で構築するための「アプローチ方法」の確立を試みる。本国際共同研究の1年目は、長年メキシコで教授法研究を行ってきた英国エクセター大学 のDr Nicholas Bremnerと共同研究を実施するべく、研究代表者(坂田)を半年間、英国に派遣した。メキシコでのフィールドワーク計画、インタビュー手法や質問項目を共に精査した後、メキシコでの現地調査を2回実施した。社会経済的分脈が異なる3県(モントレー、イダルゴ、チアパス)で、小学校計12校を訪問、児童・教師・親・校長・行政官を含む計168名に、聞き取り調査を行った。メキシコ現地の大学、The Autonomous University of the State of Hidalgoも訪問し、今後の共同研究の可能性を協議すると同時に、本研究の概要、および初期分析結果を発表する機会も得た。現地調査で得たスペイン語のインタビューデータは英語に翻訳し、坂田・Bremner氏がそれぞれ主題分析を実施、論文執筆に向けて、抽出されたテーマを協議している。最終年となる本研究2年目は、基課題の研究と合わせて、(a) 現地で発展してきた教授法、(b)学習者中心型教授法、(c)現地適合性の高いオルタナティブ教授法、の親和性をメキシコ、タンザニア、ガーナという文脈がかなり異なる三国間で比較しつつ、他の途上国にも応用可能な「新教授法フレームワーク構築のためのアプローチ方法」を確立したい。
2: おおむね順調に進展している
メキシコでの現地調査を予定通りに終え、当初計画より多くの小学校を訪問できた。データ分析も順調に進んでおり、おおむね良好な進捗状況といえる。
継続的なオンライン会議を通して共同研究者と協働データ分析を行い、少なくとも2つの国際学会発表を実施予定、また、数本の国際共著論文執筆を目指す。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)
Comparative Education
巻: - ページ: 1~18
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Pedagogy, Culture & Society
巻: - ページ: 1~20
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Teaching and Teacher Education
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Cambridge Journal of Education
巻: 53 ページ: 397~411
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