研究実績の概要 |
本研究計画では, 複素解析学及び複素微分幾何学に於いて基本的かつ本質的な研究対象である複素多様体を扱う. これら両分野の観点から同時に複素多様体の研究を推進するにあたり必要となる基礎的なすり合わせを今年度は(実際の渡航前の下準備として)共同研究者のPawlaschyk氏との定期的なオンライン会議により推進した. Pawlaschyk氏は二分野の内, 複素解析学的な側面からの研究を担当することとなる. 特に氏のq-多重劣調和関数に関するこれまでの研究成果について学び取り, また私のこれまでの複素微分幾何学的研究成果と組み合わせるにあたり, 基礎知識及び問題意識のの共有や大枠の調整・両分野間での異なる用語の間の関係の精査は, 実際の渡航前からも可能であると考えた. そこで氏との定期的なオンライン会議によりこれらの打ち合わせを行ったものである. 具体的には, 氏からq-多重劣調和関数に関する基礎的な知識を学び取り, 関連研究の動向の概要について聞くことができた. 自分からはそれらの用語の複素微分幾何学的言い換え・解釈について適宜提案する形で議論を推進し, また研複素多様体上の直線束についての小平の埋め込み定理を中心とした当該分野の関連知識の概要についての伝達を行った. さらには来年度私が日本(京都・大阪)にて開催を計画している国際研究集会 (静岡大学の足立真訓氏・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏との共同開催) のテーマ及び計画を氏と共有したことをきっかけに, 氏が来年度それにあわせヴッパータール大学側資金にて日本に短期滞在し多少の議論を直接対面にて行う計画が持ち上がった. 併せてヴッパータール大学の関連研究者も日本渡航を検討開始したとのことであり, この意味で今年度のオンライン打ち合わせにより, 私の所属大学及び滞在先大学双方の国際的・学際的研究協力体制の構築に大きな足掛かりが築けたものと自負している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は未だ自身のヴッパータール大学渡航前の段階であるが, オンライン会議によりその下準備を計画通り進めることができた. それだけではなく, 「研究実績の概要」の項目にて先述の通り, その打ち合わせ中に私から共同研究者のPawlaschyk氏に, 来年度私が日本(京都・大阪)にて開催を計画している国際研究集会 (静岡大学の足立真訓氏・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏との共同開催) のテーマ及び計画を氏と共有したことをきっかけに, 氏が来年度それにあわせヴッパータール大学側資金にて日本に短期滞在し多少の議論を直接対面にて行う計画が持ち上がった. また, 併せてヴッパータール大学の関連研究者も日本渡航を検討開始したとのことであり, この意味で今年度のオンライン打ち合わせにより, 私の所属大学及び滞在先大学双方の国際的・学際的研究協力体制の構築に大きな足掛かりが築けたもことについても先述の通りである. 以上は当初の計画時には想定していなかった大きな成果である.
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者のPawlaschyk氏とは, 自身の渡航開始まで引き続き定期的なオンライン会議にて下準備を地道に進めてゆくことで同意がとれている. また来年度には先述の通り日本(京都・大阪)にて国際研究集会の開催を計画しており (静岡大学の足立真訓氏・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏との共同開催), そこにはPawlaschyk氏及びヴッパータール大学の関連研究者も(先方資金にて)短期滞在する形で参加する計画で現在調整中である. これら機会を積極的に活かしつつ渡航までに十全な準備を整え, 当初の計画以上の進度での研究計画推進を目指す.
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