研究課題/領域番号 |
22KK0261
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原 怜史 金沢大学, 附属病院, 助教 (80749820)
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研究期間 (年度) |
2023 – 2025
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キーワード | 糸球体内皮細胞 / galectin-8 |
研究実績の概要 |
慢性腎臓病が末期腎不全へ至るには糸球体硬化の進展が重要であり、その病態形成には糸球体ポドサイトの障害と糸球体基底膜からの剥離が起点となる。galectin-8はポドサイトの基底膜への接着に重要なintegrinα6β1のリガンドであり、基課題のこれまでの検討から蛋白尿を呈する様々な糸球体疾患においてgalectin-8がポドサイトのみならず糸球体内皮細胞において発現していることを見出した。糸球体内皮細胞の障害はポドサイト障害に繋がることから、本研究は糸球体内皮細胞におけるgalectin-8の役割を解明することにより糸球体硬化の新規進展機序を明らかにし、腎不全進展抑制のための治療法の開発に資することを目的とする。 本年度はまず、金沢大学腎臓・リウマチ膠原病内科からの輸送物品として免疫染色に用いる一次抗体・二次抗体の輸送が完了した。次に、ヒトループス腎炎の各classの腎生検標本を用いて、galectin-8およびポドサイト・内皮細胞マーカーの免疫染色を計画していたが、対象となるヒトループス腎炎の腎生検実施症例の抽出について共同研究者と議論したところ、パラフィン標本ではなく凍結標本を使用することの困難さ、またループス腎炎class Iの症例数の確保が困難であること、また臨床情報との紐づけが乏しく臨床情報の収集が困難であることが分かった。このため代替として、パラフィン標本を用いて多重免疫染色をすることにより免疫細胞と糸球体内皮細胞、gal8発現との関連性について検討する方針となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象となるヒトループス腎炎の症例の抽出について共同研究者と議論したところ、パラフィン標本ではなく凍結標本を使用することの困難さ、またループス腎炎class Iの症例数の確保が困難であること、また臨床情報との紐づけが乏しく収集が困難であることが分かった。このため代替として、パラフィン標本を用いて多重免疫染色をすることにより免疫細胞と糸球体内皮細胞、galectin-8発現との関連性について検討する方針となった。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者と引き続き議論し、シカゴ大学で実施可能な代替方策として、凍結標本ではパラフィン標本を用いて多重免疫染色をすることにより免疫細胞と糸球体内皮細胞、galectin-8発現との関連性について検討する方針である。
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