研究課題
口腔腫瘍では、顎骨への腫瘍細胞浸潤と広範な顎骨破壊を伴う場合が多い。顎骨破壊は臨床的にも最も重要な因子と考えられ、顎骨破壊に関与する口腔腫瘍による破骨細胞分化誘導の分子基盤の解明が待望されている。本研究では口腔腫瘍顎骨破壊モデルマウスを作出し、病変部間質細胞におけるRANKLの発現を制御する 間質由来破骨細胞形成因子(SODF)の同定を目的とする。 口腔腫瘍細胞(良性腫瘍由来細胞株および悪性腫瘍由来細胞株)の培養上清を回収し、マウス間質細胞株にその培養上清を添加し、RANKLの発現に与える影響について検討した。口腔腫瘍細胞培養上清依存的にマウス間質細胞株におけるRANKL発現量が上昇した。また、悪性腫瘍由来細胞株において、このRANKL発現量上昇は癌関連遺伝子の低分子量Gタンパク質ARL4Cに依存していた。そこで、このARL4CをshRNAを用いて恒常的に発現抑制した細胞株由来の培養上清、コントール細胞 株由来の培養上清にて刺激したマウス間質細胞株からmRNAを抽出し、RNA-sequence解析を行った。2023年11月よりフィンランド共和国Turku大学Institute of BiomedicineのKari J. Kurppa博士が主宰する研究室を訪問し、その解析結果について検討した。その結果、RANKLの発現制御に関わるシグナル伝達と転写因子を推定できた。また、Kari J. Kurppa博士と共同にて唾液腺悪性腫瘍の転移メカニズム、および原発性骨内癌にて活性化しているシグナル伝達を明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
口腔腫瘍細胞(良性腫瘍由来細胞株および悪性腫瘍由来細胞株)の培養上清を回収し、マウス間質細胞株にその培養上清を添加し、RANKLの発現に与える影響について検討した。口腔腫瘍細胞培養上清依存的にマウス間質細胞株におけるRANKL発現量が上昇した。このマウス間質細胞株からmRNAを抽出し、RNA-sequence解析を行った。2023年11月よりフィンランド共和国Turku大学Institute of BiomedicineのKari J. Kurppa博士が主宰する研究室を訪問し、その解析結果について検討した。その結果、RANKLの発現制御に関わるシグナル伝達と転写因子を推定できた。また、Kari J. Kurppa博士と共同にて唾液腺悪性腫瘍の転移メカニズム、および原発性骨内癌にて活性化しているシグナル伝達を明らかにし、論文発表ができたためおおむね順調に進展していると判断した。
RNA-sequence解析の結果単離した候補因子(シグナル伝達と転写因子)のRANKL発現に与える影響についてsiRNAを用いて検討することを計画している。また、それらのシグナル伝達の特異的阻害剤を用いて、シグナル伝達がRANKLの発現制御に与える影響について解析する。即ち、病変部間質細胞におけるRANKLの発現を制御する間質由来破骨細胞形成因子(SODF)の同定とそのSODFの発現または活性化を制御するシグナル伝達を解明することを計画している。また、口腔腫瘍細胞を用いた顎骨破壊モデルマウスの作成を目指す。
すべて 2024 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
Pathology - Research and Practice
巻: 260 ページ: 155420~155420
10.1016/j.prp.2024.155420
http://www.dent.kyushu-u.ac.jp/about/field/field4/field4_01/