研究実績の概要 |
薬物動態解析を基盤としたAMP標的療法による敗血症の次世代個別化医療にむけて、2023年度では以下の研究をおこなった。まずAMPを投与した実験動物であるC57BL/6マウスにおいてその薬物動態を調べた。AMP投与して5,30,60,120,180分後の血漿中AMP濃度をAMP-Glo Assayを用いて測定したところ、投与後5分で有意な上昇を認め、30分でそのピークを確認した。さらに筋組織・脳組織のAMP濃度を計測し、AMPの組織移行性を検討した。またマウス腓腹筋を用いて筋組織のRNAシークエンスをおこなった。RNAの変化を網羅的に解析するためにヒートマップを作成した。次にAMPの脳への移行の検討をおこない、培養血管内皮細胞を使用した血液脳関門(Blood-brain barrier: BBB)in vitro 再構成系モデルを用いてAMPの脳への移行率を調べた。するとAMPはBBBを通過しって脳へ移行することを明らかにした。これらのAMP薬物動態の変化の個体差・人種差を検討するために、米国の敗血症コホートデータを用いて、敗血症の予後の国際間比較・敗血症の血漿の遺伝子変化・治療法の国際間比較を検討した。
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