研究課題/領域番号 |
22KK0282
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大森 優子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90827833)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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キーワード | 膵上皮内癌 / 膵管内乳頭粘液性腫瘍 / 浸潤 / 休止がん細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では、膵管内腫瘍の浸潤開始時には、分子Aの制御を受ける浸潤能と細胞回転休止を同時に制御する可逆的な分子メカニズムが存在するとの仮説に基づき、浸潤を開始した微小環境内の腫瘍細胞を標的としたトランスクリプトーム解析とオミックス解析を行い、浸潤能と細胞休止を同時に制御するエピジェネティックな分子機構や、休止がん細胞(quiescent cancer cell)の随伴分泌現象の解明を目的とする 2022年度には、transientな分子発現変動を呈するinvasive frontを標的としたマルチオミックス解析を施行した。 1)組織化学的解析および蛋白発現解析:Invasive frontでのp16過剰発現と分子Aの発現消失に伴う、メチル化状態(H3K27me3, DNMT)、増殖能(Ki-67)、浸潤能(cadherin、metalloprotease、laminin 5γ2)、膵癌フェノタイプ(GATA6、CK5)、および、分子Bの発現変動とその下流シグナルの発現変動を、免疫組織化学染色法にて解析した。 2)トランスクリプトーム解析(6症例、14サンプル)を施行し、cadherin、metalloprotease、interleukin familyなどのsenescence-associated secretory phenotype因子、上皮間葉転換因子の発現変動や、p16過剰発現の誘導因子の抽出を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、膵管内腫瘍の浸潤開始時には、分子Aの制御を受ける浸潤能と細胞回転休止を同時に制御する可逆的な分子メカニズムが存在するとの仮説に基づき、浸潤を開始した微小環境内の腫瘍細胞を標的としたトランスクリプトーム解析とオミックス解析を行い、浸潤能と細胞休止を同時に制御するエピジェネティックな分子機構や、休止がん細胞(quiescent cancer cell)の随伴分泌現象の解明を目的とする 2022年度には、transientな分子発現変動を呈するinvasive frontを標的としたマルチオミックス解析を施行した。 1)組織化学的解析および蛋白発現解析:Invasive frontでのp16過剰発現と分子Aの発現消失に伴う、増殖能(Ki-67)、浸潤能(cadherin、metalloprotease、laminin 5γ2)、膵癌フェノタイプ(GATA6、CK5)、および、分子Bの発現変動とその下流シグナルの発現変動を、免疫組織化学染色法にて解析した。 2)トランスクリプトーム解析(6症例、14サンプル)を施行した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、膵管内腫瘍の浸潤開始時には、分子Aの制御を受ける浸潤能と細胞回転休止を同時に制御する可逆的な分子メカニズムが存在するとの仮説に基づき、浸潤を開始した微小環境内の腫瘍細胞を標的としたトランスクリプトーム解析とオミックス解析を行い、浸潤能と細胞休止を同時に制御するエピジェネティックな分子機構や、休止がん細胞(quiescent cancer cell)の随伴分泌現象の解明を目的とする 2023年度には、1)組織化学的解析および蛋白発現解析:Invasive frontでのp16過剰発現と分子Aの発現消失に伴う、メチル化状態(H3K27me3, DNMT)に関連する蛋白の発現変動を、免疫組織化学染色法にて解析する。 2)トランスクリプトーム解析のドライ解析より、cadherin、metalloprotease、interleukin familyなどのsenescence-associated secretory phenotype因子、上皮間葉転換因子の発現変動や、p16過剰発現の誘導因子の抽出を進める。
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