研究課題/領域番号 |
22KK0291
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大内 亜由美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80645664)
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研究期間 (年度) |
2023 – 2025
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キーワード | 網膜3次元培養 / マイクログリア / 神経血管グリアユニット / 糖尿病網膜症 |
研究実績の概要 |
昨年われわれが確立したヒトiPS細胞由来網膜オルガノイドとヒトiPS細胞由来マイクログリア前駆細胞を共培養し作成した新規共培養モデルを用いて、培養条件 に様々な刺激を加えることで、糖尿病網膜症環境を模倣し、シングルRNAシークエンシング解析を行うことで、糖尿病網膜症環境におけるマイクログリアと ニューロンの相関を解析した。 まず、HIF-PH阻害剤であるDimethyloxalylglycine (DMOG)を培養液に添加し、マイクログリアを含むオルガノイドと含まないオルガノイドでの虚血網膜環境にお けるマイクログリア・神経相関を検討した。その結果、マイクログリアが共培養されている網膜オルガノイドとマイクログリアを含まない網膜オルガノイドでは 網膜ニューロンにおける病態にかかわる様々な遺伝子の発現に差があることが明らかとなり、それらがマイクログリアの極性変化をトリガーとした神経障害、保護作用に関与する重要な因子であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に計画していた実験を概ね遂行でき、結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
シングル細胞RNAシークエンシング解析の結果から、糖尿病網膜症環境におけるマイクログリアとニューロンの相関に関してバイオインフォマティクスを用いて 解析し、糖尿病網膜症の病態に大きく影響する神経グリアユニットの機序解明、および神経保護、または障害に働くマイクログリアの極性分子に関して治療ター ゲットとして応用を目指し、ドラッグスクリーニングを進める。
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