研究課題
我々はHXCで使用する4個のSDCCD素子を導入、その個別の性能試験を施し、HXCで求められる性能を満足することを確認した。また、HXCに搭載する予定のCCDカメラと同等の構造を持ったSXIを準備し、各種の衛星環境試験後に、ひとみ衛星に搭載した。機械構造や、使用する周辺の動作回路さらに冷却器等は同じである。動作回路は、SXIの観測モードとHXCの観測モードの両方に対応するFPGAを用意し、開発の効率化を図った。こうしてFFAST用の撮像システムを完成させた。硬X線集光のための望遠鏡の製造並びに試験は、FFAST用のアラインメントバーの製造や反射鏡面の白金コートなどを含め完了した。2016年度にSPring8の長尺硬X線ビームを使用し、その性能試験を実施し、結像性能1.7′角の所期の性能を達成していることを確認した。これにより、焦点距離12mで、80keVまで結像できる望遠鏡システムHXCを完成させた。2016年初めに、ひとみ衛星が軌道に載った。検出器SXIは動作温度-110℃を達成、各種クロックモードの動作を確認している。望遠鏡HXTも動作温度が維持されていること、結像性能を達成していることなど、正常動作を軌道上で確認した。しかしその後の衛星の初期立ち上げオペレーションにおける姿勢制御系の異常から、ひとみ衛星は太陽電池を失い、動作終了となった。小型科学衛星計画への申請は採択されなかったこと、ひとみの異常終了などから、FFAST衛星計画を凌ぐ硬X線領域の観測の必要性を議論、さらに高性能システムが必要であると結論した。そこで必要な望遠鏡の有効面積を考慮し、NASAのGSFCの協力を念頭におき、FFASTを発展的に解消し、硬X線観測を拡充するFORCE計画をスタートさせた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
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http://wwwxray.ess.sci.osaka-u.ac.jp/