研究課題
(1)アポ型ニトロゲナーゼを利用した半人工酵素の創出 : 窒素還元酵素MoFeニトロゲナーゼ(NifDK)の触媒活性中心に存在する[MoFe7S9C]型M-クラスターを除いたアポ体に、化学合成した鉄硫黄クラスター[Fe6S9(SEt)2]4-を加えてタンパク質(NifDKFe)を調製した。これを触媒としてATP存在下でアセチレン還元反応を検討したところ、野生型NifDKと同様の活性を示すことがわかった。(2)非対称型Mo-Fe-Sクラスターの還元活性 : M-クラスターは非対称構造を有し、両端にはそれぞれMoとFeが存在する。この特徴的な構造が反応に与える影響を明らかにすべく、我々が合成した非対称型[Mo-Fe-S]クラスター[Cp*MoFe5S9(SH)]3-(1)の還元触媒活性を評価した。触媒(1)存在下SmI2によるCN-、CO、CO2の還元反応を検討した結果、いずれからもCH4をはじめとする炭化水素類の触媒的生成が進行した。(3)非常にかさ高いTbtチオラートを用いた高酸化型[4Fe-4S]クラスターの合成 : すべてのFeがIII価をとるチオラート置換[4Fe-4S]クラスター[Fe4S4(STbt)4]の合成に成功した。非常に電子供与性の高いアミド基で置換された類縁クラスターは既知だが、生体内システインのモデルとなるチオラートの置換体としては初めての例である。(4)ニトロゲナーゼに類似した暗所作動型プロトクロロフィリド還元酵素(DPOR)を鋳型とした半人工酵素の創出 : 基質結合部位に2つにシステイン残基を導入した変異型DPORを作成し、X線結晶構造解析により人工クラスターを保持できる配置と空間構造を確認した。DPORのアセンブリー過程を利用した人工クラスター導入をめざし、精製した2つのサブユニットの混合を検討したところ、目的とする複合体形成に成功した。
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