研究概要 |
1.日本・中国・韓国・台湾法に関する標準翻訳辞書を開発し統合する作業を進めた。まずは台湾法令用中英標準対訳辞書を構築するために,中英対訳コーパスを用いたワードアライメントの中国語入力キーワードを策定し,その精査を行った。また、対訳表現自動抽出ツールBilingual KWICについて,インターフェイス言語の切替機能,CSV形式によるデータ出力機能を追加し,法令全文表示機能については条名を表示するように仕様変更し、比較法研究に有用となるよう改良を進めた。 2.多言語で共有する法令情報と英訳データの収集を進めるため、韓国法制処の了解を得て、韓国法令用漢英標準辞書の電子化もおこなった。また、法規定の比較法的検討を行う研究計画を確定させるため、国際会議(作業会議)を日本、韓国、台湾、中国で複数回おこなった。 3.中国との間で中国法のBilingual KWICを開発するため、中国人民大学との協力関係を具体化し、主要法令の提供を受け、開発準備を整えた。 4.戦後占領期に発行された英文官報全ての画像データ化を行い、その検索・閲覧システムを加えて公開した。その成果を日本の標準翻訳辞書の品質向上に使用するため、法律の日英(対訳)テキストデータの整備も進めている。 5.明治期の外国法翻訳成果を電子化する作業を進め、日本法の漢字概念の形成過程に関する研究を推進するため、「憲法義解」・同英訳書籍の画像作成・公開を進め、その成果を日本法の標準翻訳辞書に関連付ける準備をおこなった。 6.韓国政府の立法支援システムの研究を実地調査と専門家の招聘により実施した。また、e-legislationの構想について総合的にまとめ、その基本コンセプトについては報告をし、より技術的な内容は、講演会を行い報告もしている。さらに、e-legislationシステムと接合できるような形で、法令や全国の条例をデータベース化する作業を実施した。あわせて、わが国の条例起案のためのe-Legislationシステムの開発基礎研究を進めるにあたり、地方自治体の法制執務業務に関する調査研究を行った。 7.日本法に関する新たな情報発信の可能性を検討するために,「法令のあらまし」124本の英訳を実施した/また,それらのXML文書化を実施した.
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