研究課題
平成26年度までの研究成果を受け、最終年度である平成27年度はこれまでの要素技術を統合し、試作器を開発しその性能を動物実験で検証した。●制御論理の開発:圧反射が定常に達するには60秒程度かかる。このことは制御に際して60秒程度のインパルス応答(測定した血圧を圧反射求心路神経刺激に変換する)を実時間で畳み込み積分する必要がある。畳み込み積分は演算量が多く、植え込み型装置の消費電力が増え小型化に馴染まない。そこで、インパルス応答をパラメトリックにモデル化し、演算量の低減を試みた。その結果、演算量は1/100以下になることが示された。さらに近似モデルを利用することで、最終的には2つのパラメタ(参照信号とスケーラー)で代替できることが示された。●求心路が温存された部分圧反射不全動物モデルの作成:バイオニック圧反射を動作させるためには圧反射の求心路が残存している必要がある。求心路の神経を部分的に切断することで、求心路が温存された圧反射不全モデルの作成に成功した。部分圧反射不全動物の24時間血圧のゆらぎは、正常群と完全圧反射不全の中間の値をとった。●バイオニック自律神経制御システムによる部分圧反射不全の治療:部分圧反射不全動物にバイオニック圧反射装置を装着した。その結果、制御パラメタを最適化することで、動脈圧のゆらぎは著明に低下し、ほぼ正常化した。●バイオニック自律神経制御システムによる圧反射不全の克服:圧反射不全モデル動物に対して、バイオニック自律神経制御システムを動作させることにより、生理的な圧反射を再構築することができた。同時に、血圧の安定化、容量耐性の改善等がもたらされ、心不全の治療に有効であることが示された。今後このモデルを用いることで、短期的、中長期的なバイオニック自律神経制御システムの治療効果を評価する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 19件)
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