研究課題
1)航空機観測のデータ解析 2013年冬季に行われた航空機観測によって取得されたBCと全エアロゾルの観測データの解析を継続した。2009年春季に得られたBCの高度分布と比較した結果、南中国由来の空気塊中での自由対流圏BC濃度は冬季の方が高いことが判明した。これは、冬季は南中国での降水量が春季に比べ低く、降水除去が小さいと解釈できる。しかしCOの濃度は春季の方が高く、対流活動による空気塊の上方輸送は春季の方が活発である。このようにBCの上方輸送には、力学的な効果と、降水除去の2つが重要な作用をしていることが理解できた。2)雨水・雪氷中のBCの測定法の改良 従来,雨水や雪氷を粒子化するために近年開発された噴霧式のネブライザーを導入して、その特性を詳細に調べた。粒子化効率は直径2ミクロンまでは50%とほぼ一定であることが示された。また水中のBCの粒径分布は長期保存しても大きな変化はないことを確認した。BCが雲粒として成長する際のBCの粒径分布の変化も実験的に調べた結果、この過程でのBCの粒径分布の変化小さいことを示した。また水中から空気中にBCを取り出す際に水中のBC濃度が50 μg L-1以下であれば凝集によるBC粒径の増加は小さいことを実験及び理論計算より示した。3)BCの吸湿特性の測定 どのようなBCが選択的に湿性除去されるのかを観測的に解明するためには,BC含有粒子の雲凝結核特性を観測する必要がある。BC含有粒子のBC質量と吸湿成長因子を同時に観測する装置を開発し、東京において観測を行なった結果、BCの大部分は被覆が薄く、吸湿成長が弱いことを見出した。4)光散乱モデルの開発 前年度に開発した光散乱コードで,任意の空間格子で粒子の構造を表現できるように計算データの表現方法をさらに改良し,BCのような複雑な形状について,高速計算を行う事が可能になった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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