研究概要 |
太平洋2航海(P10およびP13)および大西洋1航海(A22)においてすべての測点で栄養塩標準を用い、比較可能性が確保された栄養塩濃度測定を行い、比較可能性が確保された栄養塩濃度測定をおこなった航海が存在しない西部北大西洋の空白域を減らすとともに、交点での補正の不確かさを減少させるデータを得た。過去データについて、WOCEおよびCLIVARの全航海、およびWGHCのデータをすべてデータベース化した。また、OSD09データセットと上記データの重複チェックを行い、データベースに追加する準備を行った。全海洋から234箇所を交点として選択し、それぞれから半径250km以内で、2000m深までデータがある測点を選び出し、過去データを栄養塩標準を使用したCLIVAR計画での10航海(P01,P03,P06,P09,P10,P14,P21,A10,I03,I04)および本課題により新たに行なう航海との交点から評価し補正するための準備作業を完了した。一部の交点については、個別に比較可能性がどのように向上したかについて、解析作業を行い、全球栄養塩データセットの作成技術を確認するため、既存のデータセットWOA05,WOA09およびWGHCの詳細を解析した。その結果、栄養塩標準を用い、比較可能性が確保された栄養塩濃度測定を行った複数の航海間の差は、分析の不確かさである0.2-0.4%程度の範囲の中にあることを確認した。このことにより、本研究が目的とする3%程度の不確かさを持つ全球栄養塩データセットの作成が現実に可能であることを再確認した。
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