| 研究課題/領域番号 |
23221004
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| 研究機関 | 気象庁気象研究所 |
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研究代表者 |
青木 輝夫 気象庁気象研究所, 気候研究部, 室長 (30354492)
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| 研究分担者 |
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20210099)
竹内 望 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (30353452)
的場 澄人 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (30391163)
堀 雅裕 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 地球観測研究センター, 主任研究員 (30509831)
八久保 晶弘 北見工業大学, 工学部, 准教授 (50312450)
山口 悟 独立行政法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, 主任研究員 (70425510)
田中 泰宙 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (50435591)
岩田 幸良 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 主任研究員 (70370591)
杉浦 幸之助 富山大学, 極東地域研究センター, 准教授 (80344307)
兒玉 裕二 国立極地研究所, 北極観測センター, 特任准教授 (70186708)
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| 研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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| キーワード | 地球温暖化 / 北極 / 積雪汚染 / 雪氷微生物 / 雪氷圏変動 / グリーンランド / 黒色炭素 / エアロゾル |
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| 研究概要 |
(1)グリーンランド地上観測：前年度自動気象観測装置を設置した北西グリーンランド氷床上で雪氷、気象観測を実施した。前年とは対照的に気温が低く、積雪表面の融解は観測されなかった。原因は北極域における大規模な大気循環に起因するものと考えられる。積雪中の黒色炭素（BC）濃度は先行研究の範囲で、アルベド低下に影響を与えるものではなかった。雪氷微生物に関する観測は夏季融解期に主にグリーンランド北西部で実施した。不純物中に含まれる鉱物成分の分析の結果、消耗域表面に堆積している鉱物粒子は、グリーンランド周辺部の裸地から供給されていることが分かった。
(2)国内地上観測：前年度同様、札幌、芽室、長岡の3地点における雪面上アルベド観測、積雪粒径、積雪不純物濃度観測を行った。積雪粒径を客観的に測定するための近赤外カメラ画像解析法とガス吸着法による測定装置を開発し、様々な積雪対して積雪粒子の変態過程を観測し、その温度依存性を系統的に示した。
(3)気候モデリング：1850年から現在に至るまでの気象研究所気候モデルMRI-CGCM3による歴史実験において、BCエーロゾル沈着変動を調査した結果、欧州・北米では20世紀前半に多く、後半は減少し､東アジアでは逆に増加傾向となっていた。
(4)氷床コア掘削：2014年のグリーンランド掘削に備え、掘削地点を北西グリーンランド内陸域のSIGMA-D（77.6°N, 59.1°W）と決定し、観測用機材の調達、掘削観測隊編成、観測機材輸送、観測許可申請等を行った。
(5)衛星リモートセンシング：2000-2013年のMODISデータを用いて、グリーンランド全域における積雪粒径、積雪不純物（BC相当）濃度を抽出し長期変動を解析した結果、2009-2012年の近年に積雪粒径の増加が顕著であった。涵養域における積雪不純物濃度は低く、衛星センサーの経年劣化の影響を強く受けていた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度グリーンランド氷床に設置した自動気象観測装置は順調に動いており、ほぼ全ての観測をおおむね予定通り実施した。その結果、グリーンランド氷床上で表面融解時に黒色炭素の濃縮プロセスが働くこと、消耗域表面に雪氷微生物の栄養源として堆積している鉱物粒子がグリーンランド周辺部の裸地から供給されたていたこと、積雪粒径を客観的に測定する装置を開発し、積雪変態過程の解明に寄与したことなどの科学的な成果を得た。一方、微生物モデル開発は2012年夏期に低温・多雪であったことから十分な観測データが得られずやや進捗が遅れているが、全体的にはおおむね予定通りに進展した。
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| 今後の研究の推進方策 |
2014年5月にグリーンランド氷床上の標高2,100m地点で200m深の氷床コア掘削を実施する。この後、6月に2機の自動気象観測装置のメンテナンスと同時に雪氷・気象観測を実施する。さらに、同地域で8月上旬まで微生物観測を実施する計画である。また、国内の観測では積雪粒径を中心に測定技術の確立と観測による積雪変態過程、水分移動、土壌モデルの高度を実施する。過去の観測データと合わせて、積雪汚染、雪氷微生物、積雪粒径変化がアルベド低下に与える効果を定量化し、気候モデルによる感度実験、衛星リモートセンシングによるそれら物理量の時空間変動を明らかにする。
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