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2011 年度 実績報告書

水中考古学手法による元寇沈船の調査と研究

研究課題

研究課題/領域番号 23222002
研究種目

基盤研究(S)

研究機関琉球大学

研究代表者

池田 栄史  琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)

研究分担者 根元 謙次  東海大学, 海洋学部, 教授 (70164663)
佐伯 弘次  九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (70167419)
後藤 雅彦  琉球大学, 法文学部, 准教授 (30291553)
キーワード水中考古学 / 鷹島海底遺跡 / 蒙古襲来(元寇) / 元軍軍船 / 磚 / 竜骨 / 外板 / 球形土製品
研究概要

長崎県松浦市鷹島町の鷹島南海岸を中心とする伊万里湾は、二度目の蒙古襲来(1271年弘安の役)の際、暴風雨によって元軍船の多くが遭難した場所として知られている。本研究では、この際に沈没した元軍船について、水中考古学的手法による調査・研究を行なうことを目的とする。5年の採択期間の初年度である平成23年度は、鷹島南海岸黒津浦の沖合約200m、水深約23m、座標位置(北緯33°25′42.81588、東経129°46′00.22819)の地点を中心として、前年度に5m×5mの調査区で検出していた木材および大量の磚について、その性格を明らかにするための確認調査を行なった。
そこで、今年度は前年度調査区を拡大し、平成23年10月および平成24年6月の二度に分けた調査を実施した。この結果、東西約15m、南北約10mの調査区のほぼ東西方向に伸びる船底の竜骨と思われる長さ約12m、幅50cmの角材と、その両側に沿って並ぶ船底から船腹の木材(外板)列を検出した。竜骨および外板の上には、磚や壺を中心とする中国陶磁器、硯、中国宋銭、球形土製品などが多く散在しており、本船が蒙古襲来に関係する沈没船、中でも元軍船である可能性が高いことを確認した。
また、本調査で確認した沈没船の存在は、平成23年10月の調査以降、多くの報道機関が取り上げるところとなり、本沈没船を含む鷹島南海岸の神崎港周辺海域は平成24年3月27日付けで国史跡の指定を受けるにいたった。
しかし、本沈没船については、船体の本来の大きさや構造、現在の残存状況などが未確認であることから、今後の追加調査が必要となる。これについては、国指定史跡範囲に含まれたことによって調査に要する法的手続きが変更となるが、文化庁、長崎県教育委員会、松浦市教育委員会との協議を進めながら、今後の取り組みを進めることとする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

調査初年度に計画していた元寇沈船の確認調査において、当初の予定を上回る規模や構造の情報が獲得されたことにより、今後の研究の方向性が明確となった。
また、調査の成果を受け、周辺一帯は「鷹島神崎遺跡」として、水中遺跡として日本で初めての国史跡に指定された。

今後の研究の推進方策

平成23年度の調査研究で検出した元寇沈船については、本船を含む周辺一帯が平成24年3月27日付けで、「鷹島神崎遺跡」として国史跡に指定された。このため、指定範囲については国史跡としての取扱いが義務付けられ、今後、科学研究費による研究を理由とした発掘調査はできなくなった。
したがって、本科学研究費の調査研究で発見した元寇沈船を含む国指定範囲での調査研究については、文化庁、長崎県教育委員会、松浦市教育委員会と協議の上、上記機関の指導、監督の下で実施しなければならなくなる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 長崎県鷹島海底遺跡出土の高麗系遺物―蒙古襲来に関する韓日共同研究の可能性―2012

    • 著者名/発表者名
      池田榮史
    • 雑誌名

      『島と海』韓国木浦大学校島嶼文化研究院 島嶼海洋学術叢書(韓国語)

      巻: 第18巻 ページ: 20ー30

    • DOI

      ISBN978-89-285-0284-4,SET978-89-285-0184-07

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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