研究課題
平成27年度は、知財を財産権として把握しつつも、ファイナンスの手段としての機能分析を十分に行ってこなかった従来の状況に鑑みて、ベンチャーキャピタルによる資金供給と、知財をファイナンスに利用する側の関係を明らかにするため、利用状況の実態調査を行った。当初予定していた補充的調査は量的調査である点で既に行った調査のデータ数補完以上の効果が得られないため、検討した結果、直接ベンチャー企業を訪問して聞き取り調査を行なう質的調査を行った。加えて、知財によってファイナンスを受けてビジネスを拡大するとしても、ベンチャー企業単体よりも集積した企業群から複合的効果としてのイノベーションがより期待できるため、イノベーションエコシステムの分析へと展開させた。同時に、担保を、債務者管理機能、担保価値把握機能、優先弁済機能に分けて検討し、次いで各機能ごとに、あるべき国際私法ルールを検討した。それはUNCITRALの知財サプリメントとも、またマックスプラク研究所グループの立法提案とも異なり、むしろこれらの案の背後にある根拠を明らかにする分析ツール的なものとして提示し、これは既存の立法提案に対する対案ではなく、立法提案に対する理解を深めるためのものである。その結果は英文で取りまとめた。また研究費の一部を平成28年度に繰り越し、ベンチャー企業に対する聞き取り調査を継続するとともに、ハーグ国際私法会議が検討中の条約案における知財関連規定を分析した上で、その特別委員会会期に合わせて意見書を提示した。加えて、国際法協会日本支部研究大会(東京)、国際法協会第78回会期(ヨハネスブルグ)に出席し、知財と国際私法に関する検討成果を発表した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Encyclopedia of Private International Law
巻: 2 ページ: undicided
巻: 3 ページ: undicided
国際法外交雑誌
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巻: 2027号 ページ: 6―13
http://kibanj.toshiyuki-kono.jp/