研究課題/領域番号 |
23223003
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 俊男 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特任教授 (80158089)
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研究分担者 |
坂上 雅道 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (10225782)
清成 透子 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (60555176)
品田 瑞穂 北海道大学, 社会科学実験研究センター, 助教 (70578757)
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キーワード | 心の社会性 / 向社会性 / 利他性 / 進化 / f MRI / 実験ゲーム / 囚人のジレンマ / 社会的価値志向性 |
研究概要 |
23年度には、今後3年間にわたり継続的に実験に参加ていただく一般人参加者の応募と採用な行い、参加者の基礎データを得るための第1回の研究実施を予定していたが、行動実験の実施サイトを北海道大学の実験室から玉川大学の実験室に移し、脳画像撮影研究との効率的な連携を可能にするよう計画の変更を行った。この計画変更に伴い玉川大学に新たに行動実験用の実験室を設置し、実験チームの形成を含む実験実施体制の確立を進めた。この間、北大の学生サンプルを用いて社会的リスク回避傾向の測定のための新たな測定法の開発を行った。また、青山学院大学の学生を用いて、脳画像撮影用の参加者の選定を行うための囚人のジレンマ実験を実施し、同時に社会的価値志向性を測定した。これらの参加者の中から、自己中心的志向性が強く囚人のジレンマ実験で非協力行動をとった参加者、向社会的志向性が強く囚人のジレンマ実験で実際に協力行動をとった参加者、向社会的志向性が強いのにもかかわらず囚人のジレンマ実験で実際非協力行動をとった参加者を抽出し、これら3タイプの参加者が順序付き囚人のジレンマをプレイする場合の脳撮像研究の準備を進めている。さらに、1月に20数名の海外研究者を含む国際ワークショップを実施し、行動実験を国際的な規模で進めるための基本的な準備作業を行った。その結果、シンガポールの南洋科学技術大学の脳科学者との間で、ゲーム間の行動の一貫性と対応する脳活動の一貫性の測定を目的とした共同研究実施のための基本的デザインの開発が進められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度の計画のうち、実験参加者プールの作成に関する計画が少し遅れている。その理由は、脳撮像実験と同時に行動実験も玉川大学で集中して実施する計画に変更したためである。そのために、実験参加者の募集は玉川大学で新たに行動実験用の実験室を設置した後の、24年3月から開始する。実験の実施を玉川大学に集中することで今後の研究の効率的な実施が可能となるので、このための遅れは24年度中に回復する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画からの最大の変更点は、行動実験を玉川大学に新たに設置した実験室を用いて実施する点である。この変更は研究代表者の定年に伴う北大から玉川大学への移動により玉川大学に新たに実験室を設置することが可能となり、今後の研究の効率的実施が見込まれるためである。
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