研究課題/領域番号 |
23223003
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
山岸 俊男 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 特任教授 (80158089)
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研究分担者 |
坂上 雅道 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (10225782)
清成 透子 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (60555176)
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 助教 (90709370)
高橋 伸幸 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80333582)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会性 / 利他性 / 互恵性 / 公平性 / 進化 / 実験ゲーム / 脳構造 / 脳活動 |
研究実績の概要 |
・2013年度には、それぞれ約500名の一般参加者を対象に3次にわたる調査・実験(第3回目、第4回目、第5回目)を実施すると同時に、40名程度の学生を対象にした、経済ゲームでの意思決定時の脳活動を測定する実験を実施した。経済実験ゲームとしては、第3回目には独裁者ゲーム、信心ゲーム、リスキー独裁者ゲーム、第4回目には社会的ジレンマゲーム、囚人のジレンマゲーム、2者罰ゲーム、第5回目には信頼ゲーム、最後通告ゲームを実施した。またこれら3次の研究では、作り笑い検知実験、表情判断実験などの認知実験に加え、多数の心理尺度、パーソナリティー尺度の測定を実施した。加えて、20代、30代の男性を対象に、テストステロンレベルの測定を行った。 ・経済実験実施時の脳活動測定実験に際しては、それに先立ち、実験参加者の経済ゲームにおける行動の測定と、一般的協力傾向を測定するための社会的価値志向の測定を行い、行動と価値の両面から判断して協力傾向の強い人間と、協力傾向の弱い人間とを選別して、脳活動測定実験への参加要請を行った。 ・上述の3次にわたる調査・実験に、2012年度に実施した調査・実験の結果と、2012年度に測定した参加者の脳構造データを統合するかたちでの分析を実施し、複数のタイプの参加者の存在を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般参加者を対象とした調査・実験は、当初の予定を大幅に超えた規模で実施することができ、また2年間の期間を残しつつ、当初予定した5回をすでに完了した。一方、実験ゲームにおける脳活動を計測する実験の実施に関しては、これまでの知見の意味を明確化するためのデザインの完了を行ったため、当初の予定通りには進行しなかったが、繰り越し年度の2014年度には実施が完了している。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた経済ゲーム実験は、2012年度と2013年度で計5次にわたり実施することで完了したが、今後は罰付のゲームを中心に、新たなゲームを追加するかたちで実施する。また、熟慮型の向社会行動と直観型の向社会行動との区別を明確化するために、複数の衝動性測定実験を実施する。これらの実験結果に、2012年度に測定した参加者の脳構造データ、及び複数の心理尺度やパーソナリティー尺度、不安尺度などを加えるかたちで総合的な分析を進める。
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