研究課題/領域番号 |
23224001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 郁 北海道大学, -, 名誉教授 (50022687)
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研究分担者 |
岩崎 克則 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00176538)
小野 薫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20204232)
翁 林 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (60304002)
寺尾 宏明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90119058)
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研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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キーワード | アーベル多様体 / モジュライ理論 / 半アーベル群スキーム / 超平面配置 / 双対分割定理 / パンルヴェ方程式 / 非可換ゼータ関数 / フレア理論 |
研究概要 |
(1)研究代表者は良い素点でのアーベル多様体のモジュライ空間のコンパクト化の構造比較を重点的に研究した。(2)その結果、すべてのレベルに対しアーベル多様体のモジュライ空間の第2のコンパクト化を構成。(3)レベルが最少 (レベル1の場合)アレクセーフのコンパクト化と一致することを証明した。まったく構成方法の異なるコンパクト化が一致したことは、二つのコンパクト化が自然なことを示し重要である。 (4)寺尾は共同研究者とともにシャピロらの双対分割定理を任意のイデアル配置に拡張。 (5)岩崎はパンルヴェ第VI方程式の不変部分集合、周期解、代数関数解を決定した。モノドロミー写像で不変な既約コンパクト部分集合は,孤立周期解(0次元)か,超幾何関数解のなすリッカチ曲線 (1次元)に限ること、周期解はリッカチ解に限ることを示した。 (6)翁林はザギアとの共著で、楕円曲線の純非可換ゼータ関数に対してリーマン予想を証明した。また翁は、ザギアら3人と共同で高階のモチーフ的ゼータ関数は、代数曲線に付随する特殊線形のモチーフ的ゼータ関数と一致することを証明した。 (7)小野は一般の閉 シンプレクティク多様体のなかで、 相対スピン 構造を持つラグランジュ 部分多様体に対し、フィルター付 A無限大-構造を整数環上のノミコフ 環係数で構成し、その応用を示した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の概要で述べた分担者の研究(6)(7)(8)(9)は、どれも研究成果が画期的で、極めて順調に進展している。代表者の研究は、当初計画をほぼ達成するもので、全体としては、おおむね順調に進展していると言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
整数環上のアーベル多様体のモジュライのコンパクト化の構成の方法は、原理的には明らかになったと感じており、現在論文を執筆中であるが、その過程で様々な困難に出会っている。これらを順次克服しながら目標にたどりつけるものと考えている。研究概要の(3)で述べた事実の証明に用いた手法は汎用性があり、整数環上のコンパクト化の構成においても有効であると予想され、これを強化し応用を進めていく。研究はほぼ予定通りに進展し、研究計画の変更は考えていない。
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