研究課題
探査望遠鏡LAMOSTで見つかった金属欠乏星候補天体をすばる望遠鏡で詳細に観測するプログラムを本格化し、鉄組成の極めて低い天体と、r過程元素の過剰を示す星の化学組成を報告するという初期成果を得た。矮小銀河の星の化学組成データベースの整備を継続し、矮小銀河ごとの化学進化を特徴付ける組成比や炭素過剰星の割合を調査して論文執筆を進めるとともに、データベース公開準備をほぼ完了した。また、矮小銀河の星のr過程元素Euの組成を観測し、鉄組成によらずEuの組成がほぼ一定になることを示すデータを新たに得て、r過程が超新星よりも稀にしか起こらない中性子星合体であるという主張をより強固なものにした。低金属量での元素組成に大きな影響を与えたと考えられる極超新星やガンマ線バーストの起源としてマグネターが提案されていることをふまえ、マグネターで合成される鉄の量を理論的に調べ、極超新星の明るさを説明するためにはそれだけでは不足で、別の機構が必要であることを明らかにした。超新星放出物質中でのAl2O3粒子形成を理論的に調べ、超新星起源と考えられるプレソーラー粒子のサイズを再現するには、放出物質は大きな密度コントラストをもつ必要があることを明らかにした。進化の進んだ低金属量の中小質量星で起こるs過程を理論的に調べ、これが普遍的に起こること、ヘリウム対流層への水素混合が主要な役割を果たすことなどを明らかにし、炭素過剰星の起源への制限を得た。またこういう星の放出物質中でのダスト形成計算を行い、星風による質量放出の条件を定式化した。宇宙初代星として小質量星が誕生した場合に受ける表面への重元素降着を階層的構造形成の枠組みの中で評価し、この影響を受けない星の探査方針を提案した。光速の数分の1におよぶ中性子星合体からの物質放出の伝播過程を考慮した化学進化モデルを構築し、銀河系ハローの星の観測結果の再現に成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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