研究課題/領域番号 |
23224006
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
仲澤 和馬 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60198059)
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研究分担者 |
住浜 水季 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (10396426)
星野 香 岐阜大学, 教育学部, 非常勤講師 (70022738)
高橋 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60353372)
谷田 聖 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 客員研究員 (00360587)
肥山 詠美子 独立行政法人理化学研究所, 仁科研究センター, 准主任研究員 (10311359)
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キーワード | ダブルハイパー核 / 原子核乾板(エマルション) / 複合実験法 / 全面スキャン法 / シリコン半導体検出器(SSD) / KURAMAスペクトロメータ / ハイパーボール / 少数多体計算 |
研究概要 |
エマルション関係では,まず全面スキャンの高速化に向けて,企業の技術支援を受けながら顕微鏡光源の開発とカメラの選択および駆動・解析ソフトの開発を進めてきた結果,これまでの数百倍速の駆動に成功した。 両面半導体検出器に性能の安定が期待できないため,急遽シリコンストリップ検出器(SSD)に変更し,プロトタイプの性能評価を行った。さらに,その結果をもとに,大幅な改良を加えた実機の設計を行った。この新しいSSDでは,センサーをばらばらに用いるのではなく,4枚貼りあわせて使うことで,プロトタイプよりも薄くすることができる。 ハイブリッド・エマルション実験のセットアップをGEANTシミュレーションで検討した結果,スペクトロメータ電磁石KURAMAのギャップを500mmから800mmに広げることで,エマルション中の静止Ξ事象の数として当初計画の約1.6倍の収量が得られることが分かった。ギャップを広げたスペクトロメータの立体角をカバーするために必要な各検出器のサイズ,配置をシミュレーションにより最適化し,検出器の大型化に対応するための準備を行った。 ダブルラムダーハイパー核を実験前に理論的予言を行うためには,まずシングルラムダハイパー核の理論的研究が必要不可欠である。平成23年度は,シングルラムダハイパー核の研究に従事し,さらには,これまでに分かっているハイパー核の理論研究についてのレビュー論文の執筆に従事した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
両面半導体から片面半導体への変更はあったものの,平成25年1月のビーム照射に向けて,半導体の入手,エマルションの乾板化,ビームライン設計,理論計算など,日程的に順調に準備が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
年度末のビーム照射に向けて,エマルションを乾板にするとともに,複合実験法および全面スキャン法の実用化を図る。 SSDは実機を7月までに完成させ,秋ごろに性能評価を行い,1月に現場にインストールする。 KURAMAスペクトロメータについては,エアロジェル検出器等でテストビームを使ったR&Dも行いつつ,年度末に予定されているビームタイムまでにJ-PARCハドロン実験施設K1.8実験エリアにセットアップを完成させ,ビームによるコミッショニングを着実に行う。 ダブルラムダハイパー核におけるΛΛ―ΞN結合の状態をみるためのコード作成を試みる。同時にΛN-ΣN結合も同時に含める必要があるため,まずは,現実的核力を使用した4HΛの4体計算を完成させる。
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