研究課題
平成27年5月にビーム形状を試験したところ,期待値より約3倍大きく広がることがわかった。続く10月のビームタイムでは,広がりを抑えるための試験,種々検出器の駆動試験,グザイの位置・角度検知の半導体飛跡検出器(SSD)とエマルション乾板との位置較正技術の試験を実施し,広がりの抑制と高純度・高強度のビーム取得に成功した。SSDとエマルションとの位置関係は,前のE373実験の数倍よい約50ミクロンの精度で較正できた。東日本大震災や放射の漏れ事故によるビーム照射時期の遅れで神岡地下施設に保管中の乾板の被ばくは,宇宙線は全く問題ない。しかし,顕微鏡画像のコントラストを低下させ飛跡の自動検出を困難にするガンマ線によるコンプトン電子の記録が,前のE373実験での最大値に近づいている。そこで平成28年6月に総量の2割のビームタイムが約束された。残りは平成29年の3月とも言われるが,電子蓄積量はE373の最大値を超え全く未知の領域となる。そのためコンプトン電子で感光した潜像を退行させる処理を準備している。SSDで検出されたグザイを乾板中で全自動追跡する上で重要となるのは,35cm四方の乾板のどこでも高精度に位置較正できることである。乾板に垂直に入射するビームを乾板どうしの接する面上で検出し,その分布を合せることで1ミクロン以下の精度をE373乾板(25cm四方)で達成した。この精度で単一に検出されるグザイの顕微鏡下での追跡は,若干の角度依存性はあるものの95%以上の成功を収めた。一方全面スキャン法では,顕微鏡の倍率を若干上げることで画像処理の効率を向上させ,無関係事象の検出を低下させ,約100事象/週の頻度で分岐点が二つ以上の事象(ハイパー核)の検出に成功したが,その解析速度が課題である。平成26年に発表したKISO eventをもとに,中性子星の状態方程式に関して理論を展開した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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