研究課題/領域番号 |
23224008
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷畑 勇夫 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10089873)
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研究分担者 |
土岐 博 大阪大学, 名誉教授 (70163962)
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キーワード | 殻構造 / テンソル力 / 不安定核の反応 / 高運動量成分 / 新理論 |
研究概要 |
本年度は核物理研究センター、GSI,蘭州近代物理学研究所におけるそれぞれめ実験について、平行して準備を進めた。 核物理研究センターでは、まず400MeVの陽子による実験データの解析を進め、テンソル力の効果が断面積の増加として、エネルギー依存性に表れることを見いだした。現在論文にまとめている最中である。また核子移行反応についても最小限の測定装置を完成させ、昨年12月にテスト実験として12B(d,p)反応の測定を行った。現在その解析を進めている。また、本格的な装置の開発を進めMUST型のSi検出器の読み出し方法を確立した。 GSIにおける研究については、実験のプロポーザルを作成しGSIに提示し、マシンタイムの交渉に入っている。同時にファイバーシンチレータを用いた高速位置検出器についてプロトタイプを完成した。 蘭州のおける実験の準備を進める段階で位置検出の方法の新しい方法を見つけた。この方法を用いれば従来の方法では200ミクロン程度だった位置分解能が10ミクロン程度に飛躍的に良くなるはずである。この装置については来年度に完成させる予定である。 理論的にはテンソル力を陽に含む殻モデル(TOSM)を開発し、11Liを含む軽い中性子過剰核に応用し、これまで理解されていなかった波動関数のミキシングについて理解ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
陽子弾性散乱により、テンソル力(2)関連した状態への遷移確立が高運動量移行で増していることが明らかになった。これは、本研究の基本的考え方が正しいことを示しており、今後の実験データにさらに期待がかけられる。理論では、テンソル力を重い核で計算する方法を発見した。その方法を使って核物質の状態方程式の計算を行い、論文を投稿した。さらに、2012年の春の物理学会大会で「テンソル力による核子多体系の構造とそのダイナミックス」が企画された。そのシンポジウムの招待講演で2つの理論の成果の報告があった。
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今後の研究の推進方策 |
実験研究については、大阪大学、蘭州、ドイツGSI、カナダTRIUMF,における実験の準備を進める。GSIにおけるテスト実験と、ビームタイムが得られればデータ収集を行う。 理論研究においては、昨年度発見した、原子核理論の基礎を与えていたブリュックナーハートレーフォック(BHF)の方法を上回る多体理論に基づいた拡張されたBHF理論の定式化をさらに進める。又この方式を用いて核物質の状態方程式の計算を行う。
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