研究課題/領域番号 |
23224009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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研究分担者 |
中島 健次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (10272535)
鳴海 康雄 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50360615)
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60241569)
中村 哲也 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (70311355)
桑原 慶太郎 茨城大学, 理工学研究科, 准教授 (90315747)
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研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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キーワード | 超強磁場 / 量子ビーム / 中性子散乱 / XMCD / 量子相転移 |
研究概要 |
本研究の目的は、世界をリードする超強磁場中性子回折とX線分光により超低還元温度下の磁場誘起量子相を探求することである。本年度は、中性子回折において、(1)4%RhドープURu2Si2のPhaseIIの磁気秩序が面内3倍周期であり、非整合磁気揺らぎと対応することを見いだした、(2)TbMnO3の強磁場相において40Tまでの中性子回折に成功し、磁場誘起転移における磁気構造変化を明らかにした、(3)MnWO4のリエントラント整合ー非整合転移を40T領域で観測し、磁気相図を決定した、(4)BiFeO3の磁場誘起非整合-整合転移を検証した、等の多くの成果を挙げた。これらの一連の研究において、40T領域での中性子回折実験が実用的な水準にあることを確立した事は技術面で大きな成果である。また、長年未解明であったURu2Si2の強磁場相の磁気構造を中性子回折で直接的に決定した事は画期的である。一方X線分光においては、軟X線MCDの最高磁場を40Tまで伸長し、さらに長時間化することにより、精度を抜本的に向上させる事に成功した。これを用いて、(1)EuNi2(Ge, Si)2系の磁場誘起価数転移における価数と磁気偏極の定量的決定、(2)LuFe2O4の電荷秩序状態の磁気偏極とフェリ磁性相関の観測、(3)磁性薄膜の断熱磁化反転の実現と異方性の決定、(4)希土類金属間化合物の粒界磁性の定量評価等の成果をあげた。これらの結果は、超強磁場XMCDにおける技術面の優位性を揺るぎないものにするとともに、界面のような微小な磁性においても実用的な研究が展開出来ることを実証し、実際の物質における研究へ応用した点で、大きな意義がある。さらに、低温化や高分解能化のためのスプリット磁石の開発などを推進し、技術面で目処をつけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中性子回折、X線分光とも40T領域に到達し、かつ高精度の測定を可能にして、両者を実用水準に到達させた事は研究の順調な進展を示している。中性子回折において、積年の疑問に答えを与える結果を得るなど、学術面における進展も順調である。さらに、低温化や高分解能化のためのスプリット磁石の開発なども順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は、確立した40Tの強磁場環境を24年度に技術開発を行った低温装置との組み合わせ、また、高分解能化などを推進し、これらを用いて、URu2Si2やSrCu2(BO3)2等における量子相転移の研究を推進する。これらの課題の推進に大きな支障はない。
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