研究課題
波動粒子相互作用解析装置(SWPIA)を開発し、世界初となるプラズマ波動―粒子間相互作用の直接計測実現を目的とする。「SWPIA計測システム」の開発では、SWPIAで重要となる「波形位相」において、その較正の段階でエラーが増大しないよう、窓関数、および、時系列データの取り扱い方について検討を行い位相誤差が非常に少なくする手法を確立した。スペースプラズマ実験では、傍熱型電子ビームにより安定した波動粒子相互作用が実現できるようになり、ビーム周辺におけるドリフト波の励起が確認できるに至った。さらに、直線型プラズマチェンバーを用いた電子温度勾配モードとドリフト波の励起についての実験での、プラズマ波動励起過程の直接計測に関する実験を開始した。この実験では、波動電場ベクトルとイオン流速ベクトルとを同時に計測するコンビネーションプローブを設計・開発して計測に用いた。初期結果として、コンビネーションプローブが所期の計測精度を達成できていることと、チェンバー内で励起するkHz帯のドリフト波の電場とイオン電流の各ベクトル量を計測できていることが確かめられた。「SWPIAシミュレータ」については、磁気嵐時の現実的な状況における高エネルギー電子のダイナミクスとホイッスラーモード波動の励起の解析を行うために、高速の太陽風が生じたときの人工衛星データを境界条件としたモジュールAのシミュレーションを行い、観測されたデータとの比較を行った。また、平成24年度に開発した手法によって、非線形のホイッスラーモード波動の時空間分布も導出した。この結果、南向きの惑星間空間磁場を含む高速太陽風と北向きの惑星間空間磁場を含む高速太陽風のときでは、線形および非線形段階のホイッスラーモードの時空間変化は顕著な違いが生じ、観測された結果と調和的であった。モジュールBについては、平成24年度に得られた成果を学術誌に発表すると共に、モジュールAの計算結果に基づいて高エネルギー電子の初期速度分布を与えるモジュールを開発し、連携計算の実行環境を整えた。
(抄録なし)
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