研究課題
LC-DFTはHF交換積分を導入することで計算精度を飛躍的に高めるが、大規模系計算では交換積分計算の時間がかかりすぎるという問題がある。この問題を解決するため、スクリーニングを用いた交換積分計算を削減するアルゴリズムとガウス関数2つを用いることにより交換積分を大幅に削減するアルゴリズムを開発した。これら2つのアルゴリズムは、いずれも計算精度を損なわずに交換積分の計算コストを大きく削減することがわかった。LC-DFTの適用範囲を拡大することに成功した。フラーレンおよび炭素原子がより多い高次フラーレンは、医療や材料など多方面での応用が期待され、様々な研究が多く行われている一方で、最も基本的な生成熱の正確な値の測定にいまだ成功していない。本研究では京コンピュータに搭載された分子科学計算ソフトウェアNTChemプログラムのDFTにより、C60および高次フラーレンの生成熱を計算した。その結果、世界最高精度の予測に成功した。また、炭素同素体のグラフェンと比較して生成熱に大きな開きがある原因も理論的に提案することに成功した。1、2次元拡張系の基本・光学バンドギャップにおける長距離交換と2電子励起電子相関の効果を調べた。これらの効果を取り込んだスピンフリップ長距離補正時間依存密度汎関数法を開発した。長鎖系とグラフェン系の励起状態に適用した結果、基本・光学バンドギャップの差であるエキシトン結合において長距離交換が支配的であることが明らかとなった。LC-DFT法を用いた結晶などの電子状態計算を行うために平面波を適用した周期系への拡張を行った。その際、問題となるのは交換積分のsingularityの問題である。このsingularityを克服する手法を開発し、周期系へと適用した。その結果、固体の励起エネルギーの高精度計算に成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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