最近の医薬品や農薬は複雑な分子構造を持ったものが多い。こうした化合物を効率よく合成するには多くの工程を必要とし、しかも必ずしも選択的に欲しいものだけ作ることはできない。特に抗生物質として一般的なポリケチド骨格は通常非常に多くの工程数を必要とし、しかも必要とする一個の異性体だけを合成することは困難である。本研究では,嵩高いシリコン基を持つ反応剤やルイス酸触媒に用いることで、高い選択性で必要とする単一物質を短工程で効率よく作ることに成功した。この合成手法を用いることで、様々な生物活性抗生物質や、糖の誘導体を選択的に短工程で合成することに成功した。
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